はじめまして の方へ('◇')ゞ

はじめまして itti(イッチ)と申します。こちらは、イッチが趣味で書いておりますBL小説やイラスト、漫画などを盛り込んだ憩いの場所。全てはボーイズラブに傾いておりますので、共有して頂ける方はどうぞお入りください。尚、別のサイトでも活動しております。pixiv・アルファポリス・muragon blog でもBL小説やイラスト、漫画、映画感想などを更新。現在のお話と 過去の小説の各一話目にリンクを貼っておきますので、「題名...

『寄り道しないで帰ろうよ。』 405号室-1

 ‐----405号室 部屋番号の下、ネームプレートに刻まれた二つの名前を横目で見ながら、亜麻色の床に最後の段ボール箱を置くと、ふぅ、っと溜め息をついて額の汗をタオルで拭った。 リビングの一角に寄せられた20個程の段ボール箱を眺めると、改めて自分の持ち物の少なさに驚く。しかも、荷造りをする時に気付いたが、中身はほとんどが黒系の衣類や小物ばかり。 「拓海ぃ~、お前の部屋こっちで良かったんだよな?!」そ...

『君と まわり道』 73

*少しR入ります*  帰りの電車の中は混んでいて、二人で向かい合って立っていたが、時折目が合うと拓海が真剣な眼差しを向けるから焦る。何かを語っているんだろうけど、オレはじっと凝視出来なくて、目が泳いでしまうんだ。一体、何を言いたい?それに、こんな人混みの中でオレをじっと見るなよ。隣に立つ女の子が、拓海を気にしている。オレにはなんとなく感じるんだ、そういう熱ってピンと来るもので、オレもたまにだけど’こい...

『君と まわり道』 72

 ゆっくりとインターフォンを押す拓海の指を見る。その先に、オレたちの新居となる部屋があるのかと思うと、背中が少しだけむず痒くなった。なんだか恥ずかしくて..........。「はーい」高くて通る声が聞こえて、その声は上司の奥さんだと言った拓海。「山城です、こんばんは。」「あ、今開けまーす。」そう言うとすぐにドアが開いて、ドアの向こうに見えたのは中年のおじさん。いや、拓海の上司の森口さんだった。「「こんばんは...

『君と まわり道』 71

 次の日、拓海が上司に連絡をしてみるというので、オレは携帯メールの通知を待っていた。社員が昼食をとる休憩所で、テーブルにスマフォを置いてサンドウィッチを頬張ると、「お疲れ様です。」と言って靴屋のチアキちゃんがやって来た。オレの隣に腰を降ろすと、前の様に彼女の手作り弁当を広げる。「お疲れ様~、彼女出張から戻ったんだね。」弁当を覗きながら、チアキちゃんに言うと、「そうなの。やっと戻ってきたのよ~、又お...

『君と まわり道』 70 

 昨日に引き続き、好調な売れ行きにホクホク顔の山野辺さんだったが、店内の商品を補充するオレを呼ぶとストックルームへと向かった。「なんですか?」と、首を傾げるオレに「今、彼の所に同居しているんだよね?!会社に登録しなきゃいけないから、住所変更書類に記入しておいてね。」と言った。すっかり忘れていたけれど、オレの住所はミサキの部屋のままだった。なんかバタバタしちゃって、それに同じアパートだったし引っ越し...

『君と まわり道』 69

 賑わう店内のざわめきも、オレの周りだけは閉ざされた空間の様に、耳には入って来なかった。下を向いて目を閉じるオレに、トン、と肩を押す手の感触が伝わると、顔を上げる。山野辺さんは驚いてはいるが、オレがゲイだと知っていて、今は相手が親友の拓海だと言う方に驚きを表しているようだった。でも、チカちゃんに至ってはオレの性癖を知らない。ノーマルだと思っているから、その顔にはなんとも言えない驚愕の表情を浮かべて...

『君と まわり道』 68

 雑踏に紛れて拓海の声が聞こえた気がして、思わず来た道を振り返った。駅ビルの中、売り場から社員休憩所へと行く途中の通路は来客でごった返していて辺りをキョロキョロと見廻す。「アツシ、こっち!」名前を呼ばれて声の方へ向くと、エスカレーターを降りてきた拓海の姿が見えた。黒のロゴTシャツにブラックジーンズ姿の拓海は、相変わらずの全身黒ずくめで.....。「お、どうした?」と聞くオレに、鼻の頭を擦りながら近寄って...