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いらっしゃいませ。お話の各1話目はこちらから。

はじめまして itti(イッチ)と申します。こちらは、イッチが趣味で書いておりますBL小説やイラスト、漫画などを盛り込んだ憩いの場所。全てはボーイズラブに傾いておりますので、共有して頂ける方はどうぞお入りください。尚、別のサイトでも活動しております。pixiv・アルファポリス・fujyossy・エブリスタでもBL小説やイラスト、漫画、などを投稿中。現在のお話と 過去の小説の各一話目にリンクを貼っておきますので、「題名...

幼なじみで先輩で・・・ 45

 その日のバイトは、司にとっては何時間も余分に働いたぐらいの疲れを残す。神経がまいっていたせいもあり、人と接するのに笑顔を作れなくて、自分でも分かるぐらい眉間に皺を寄せていた事だろうと思った。それでも中村や小野寺は、叱ることも無く司に「お疲れ様。」と言葉を掛ける。「お疲れ様でした。」司は頭を下げるとそう云って二人の前を通り過ぎようとしたが、一瞬足が止まると振り返り「今日はすみませんでした。俺、やっ...

幼なじみで先輩で・・・ 44

 冷たいスチール製のロッカーに、ゴツンとおでこを当てると、「はぁ~っ」と溜め息交じりの声をあげる司。その息は部屋中を淋しい空気で包むが、「おっ疲れー」と云ってバタンと勢いよくドアを開けて大谷が入って来ると、いっぺんにして空気はカラッとしたものに変わった。「.....おつかれ、......元気イイネ、相変わらず。」ボソッと呟く司に、大谷の右手が伸びる。司の肩を掴むと、顔を近付けて「ひょっとしてフラれた?.........

幼なじみで先輩で・・・ 43

 学生たちが冬休みに入っている事もあって、相変わらずバイト先のカフェは若い男女で賑わっていた。なのに、ひとりだけ浮かない顔でぼんやり店の前を行き来する人を眺める司は、中村や小野寺が様子を伺っているのも気づかないまま。「なあ、アレ、どうした?!」「........桐谷くんの事?」「昨日も少し元気なかったけどさ、彼女がいない淋しいクリスマスを送っちゃったんだろうか。あの子モテそうなのにな。」「...................

幼なじみで先輩で・・・ 42

***その晩、司はなかなか寝付けないでいた。母親が戻るまでに涙の痕は消したつもり。冷たい水に顔を浸けると、ヒリヒリと痛むまでそのままにして、顔をあげてゆっくり血流が巡り始めると、やがて腫れた瞼は通常に戻った。出来るだけ平常心を保つと、帰って来た母親と一緒に食事をしながらバイトの話をする司。いつもなら面倒そうに投げやりな返事をしていた。これまでの、些細な事に腹をたてていた自分が、今日は何故か子供の様...

幼なじみで先輩で・・・ 41

 司は、足元に落ちる大粒の涙が床の絨毯に吸い込まれていくのをじっと見ていた。母親が帰って来るまでの間、自分の部屋に閉じこもったまま床にひれ伏して溢れる涙をそのままに。擦ればきっと赤く腫れてしまう。そうすれば、母親に変な気を使わせてしまうのではないか。そんな事を考えながら、声を殺して泣いた。人生で最悪のクリスマスの夜。窓の外から時折聞こえる楽しそうな若者の声。去年までは、自分もああして笑っていた。結...