境界線の果てには。(043)

  3年前の俺には、今みたいな状況を想像する事なんて出来なかった。週末には、若い娘の集まる店へと足を運んで、自分の性を確認する事に躍起になっていたんだ。別に女の子が大好きって訳じゃないけど、それなりに遊んできたから、身体が疼くと発散したかった。なのに、やっぱり女の子とは二人きりになれない。すぐに目眩や吐き気に襲われた。この際、女っぽい男でもいいや。なんて開き直ったら、とんでもない事になって…。その時...

境界線の果てには。(042)

 ひとしきり後悔した後で、これからは背中にもチェックを入れようと思った。真咲はやたらと吸う力が強い。首とか鎖骨のところに、すぐ赤いキスマークをつけられる。だから、絶対にやめさせてた........なのに................よりによって背中に、しかも末永先生に見られるなんて。-あーーーーーッ!! サイアク。先生は俺の相手が”おとこ”なのを知っているんだ。くそ恥ずかしいっ!!**「しばらく、血...

境界線の果てには。(041)

昨日、真咲が作った肉無しの肉じゃがを平らげた後、夜迄抱き合った俺たち。喧嘩みたいになって気分が落ちたけど、真咲が料理作ってくれて、身体の心配してくれて、俺に優しくしてくれると、すぐに舞い上がる。単純なんだ、俺。** 心地いいジャズの響きが耳から伝わり、落ち着いて本を読んでいると「青木さん。」少しハスキーな男性の声で名前を呼ばれた。「はい」本をカバンにしまい声の方へ歩いて行く。今日は、末永クリニックで...

境界線の果てには。(040)

  自分でも分かっているんだ。どんなに強がり言ったところで、俺は結局真咲に依存している。アイツの好意に甘えて、縋ってしまう。あーあ、いつの間にこんなに女々しくなっちゃったんだろう。つくづく反省したが、目の前の炊飯器を見ると思案する。ごはん炊いてくれたけど、何をおかずにしたらいいんだよ‼今から買いに行くって面倒だなぁ・・・・・そんな事を考えていたら、玄関で物音がした。がさがさと、何かが擦れる音がして、...

境界線の果てには。(039)

濡れたままの髪の毛をかきあげながら、ひとりベッドに腰掛けると、いい様の無い脱力感に襲われた。-さっき迄、肌を合わせていい気持ちになっていたのに………。なんか、上手くいかない。広斗は、自分が真咲の優しさをひとり締めしているようで、気分が良かった。だから、甘えても許されると思っていた。-そもそも、真咲が俺にべったりなのが悪い。俺は別れるつもりだったのに………。強引に引き止めたのは、アイツだ。 自分の否を認めな...