【曼珠沙華】 炎に落ちる 032

 「ともだち?」天野さんが俺に聞く。「・・・うん、中学の同級生。近所に住んでるから・・・。」「へぇ、こっちをじっと見てるけど、いいのか?」「え?」天野さんに言われて、思わず桂の歩いた方向に顔をやってしまった。すると、アイツは通りの向こうで、信号待ちをする俺たちを見ていた。- なんだよ・・・・・・そのうち信号が青に変わって、車をゆっくり発進させると、桂も踵を返して歩き出す。この道はまるで大きな川の様...

【曼珠沙華】 炎に落ちる 031

 長い睫毛が微妙に揺れると、天野さんの瞼がそっと開く。それから俺に視線を送ると、少しはにかんだ様に笑った。「可愛いなぁ、千早くんは。・・・見かけによらないっていうか、ホント、カワイイ。」そう言いながら俺の方に向き直ると、頬を優しく撫でてくれる。「そんな事、言われた事ない・・・・。可愛いとか・・・、天野さんの目が変なんじゃない?!」「え~、そんな事ないって。本気で好きになりそうだよ。」天野さんは、俺...

【曼珠沙華】 炎に落ちる 030

**ここから下はR-18です。 年齢に達しない方は閲覧しないでください。**「どうだ?気持ちよくなってきた?」・・・・・ぅ・・・・あ・・・・ぁ・・さっきから、俺の後ろを天野さんの指が出たり入ったり・・・「な、んか・・・、変。」ベッドの上でうつ伏せになって、自分では見えないから感覚だけが研ぎ澄まされる。浣腸をされてるような、異物が入っている感覚で。でも、擦られてキモチイイ。「あ、まのさん・・・・俺、・・・・...

【曼珠沙華】 炎に落ちる 029

 川沿いの道を桂に貰った英語の単語帳を開きながら歩く。土手に群生していた彼岸花は、あっという間に落ちてしまっていた。見事に咲いた炎のような花も、散ってしまえば儚いもので、もともと葉のない植物は芯だけがひっそりと残っている。そんな光景を横目に、試験最終日を迎えた俺は、いつになく緊張する。桂に教えてもらったところが出たらいいのに・・・と思いながらも、試験が終わったら天野さんの家に呼ばれていて、そこも気...

【曼珠沙華】 炎に落ちる 028

 一瞬、俺の腰に回した手の力を緩める。天野さんは、俺がもっと遊んでいると思っていたんだろうか・・・。生憎、中学3年で、自分の性癖に不安を感じてからは、女の子の側には行かない様にしていた。あの娘に誘われる前にも、電車の中や映画館で女の子の視線を感じることはあったけど、すべて気づかないふりをしてきたんだ。自分に向き合うのは、正直怖い。15や16で、将来の形が決まってしまうような気がして、出来るだけ現実...