【曼珠沙華】 炎に落ちる 062

 - 結婚 - - - それはあまりにも突然の報告。こんな色気も何もないアネキに、付き合う男がいたってだけで驚きなのに、結婚って・・・。「アネキ、マジで言ってるの?この間の人と別れたんじゃなかったのか?」「・・・は?別れてないわよ!!」おかしいな。確かうちの母親がフラれたって言ってたような・・・・。まあいいや、と思い直してアネキを見る。普段は男みたいな言葉でしゃべるくせに、今日はなんだか頬まで染めてか...

【曼珠沙華】 炎に落ちる 061

 二人して階下のリビングに降りて行くと、アネキが大きなトレーにケーキの皿を乗せている所だった。「アンタたち、男二人で部屋に籠って、なにしてんのよ?!・・・」じろりと俺の顔を見ながらいう。こういう時、俺はうまくかわせないんだ。根が正直者だから・・・・「進路の話。千早、まだ決めてないっていうから・・・。」桂はしれっとアネキに言って、トレーを持つとテーブルに持って行く。「ああッ、もうそんな時期?!・・・...

【曼珠沙華】 炎に落ちる 060

 結局、正月の3日間を桂と一緒に過ごして、気が付けばもうすぐ学校の始まる日が迫っていた。あの後、天野さんには会っていなくて、母親も美容院への配達を頼まないし、天野さんからの呼び出しもないまま。急に帰ってしまって、気を悪くさせたか・・・。それに、なんとなくだけど、天野さんが俺に「行くな」って言った気持ちも分かる。天野さんにとっての俺は、どんな存在だったんだろうか。大人のあの人と、俺の感じる好きの度合...

【曼珠沙華】 炎に落ちる 059

 目覚めてから、洗濯をする俺と桂に、ばあちゃんは「偉いねぇ、ちゃんと洗濯できるなんて。」と言った。なんだか二人して俯いてしまったけど、変だったかな。昔からよく来ていたから、俺がいる事には驚かないばあちゃんも、孫の部屋を開けたら二人でくっついて寝てるのにはびっくりした様で・・・。さすがに布団を剥いだりはしないけど、そそくさと退散したのはどうしてかな・・・。俺は自宅へ電話を入れると、桂の家に来ているこ...

【曼珠沙華】 炎に落ちる 058

 --- ゴクリ、---荒い息を吐く俺の耳に、喉の鳴る音が・・・。「・・・か、つら・・・・。お前・・・・飲んじゃったの?」恐るおそる聞いてみた。「・・・・・・ん、・・・想像より苦い。・・・うぇ・・・。」口を拭いながらそう言ったから、あっけにとられた。「バカだな・・・・。ホント、バカ。」枕もとのティッシュを鷲づかみにすると、桂の顔を擦る様にして渡した。あんなの俺だってした事ない。どうしてホモでもない桂があ...