『君と まわり道』 50

 しばらくして、昼食から戻ってきた山野辺さんは、通路の向こう側に行くとオレのディスプレイを眺めていた。「どうですか?」と尋ねるが、「う~~ん。」と首を傾げるだけ。- アレ?いまいちだったのかな・・・?オレもちょっと心配になって、隣に一緒に並ぶと自分のディスプレイに目をやった。- 完全に周りから浮いている。 - 涼し気なイメージには程遠い、どちらかと言えばポップモダンな感じ。「.........だめッスか?いい...

『君と まわり道』 49

 短めに昼食を済ますと、売り場に戻り山野辺さんと交代。「淳くんのセンスで適当に変えておいていいわよ。ただし、他の店と被らないように!」「............はい、了解ッス。」山野辺さんの背中を見送ると、すぐにストックルームへと行き在庫品の入った段ボールを開けた。中には白、黒、モスグリーンの三色で展開されたトロピカルシャツが数点。アメ車をモチーフにしたもので男女問わずに着られる。それに合わせてコットンとレザ...

『君と まわり道』 48

  -----はぁ ---------っと、ため息をひとつ。すぐに視線を感じて、顔を向ければ山野辺さんがオレを見ていた。「.........すいません。」と首を竦めて謝ると、売り場の前の通路に向かう。通路から再び店内を見ると、ディスプレイを確認した。初夏の清々しいイメージのディスプレイに満足したのは先週の事。ここへ来て一気に夏日和になると、もう少し色合いを変えてみようかと思う。「山野辺さん、お客さん少ないッスね。月曜日...

『君と まわり道』 47

 「あ、っつ~い!!」声に出して叫ぶと、身体を包む掛布団を思い切り蹴飛ばした。- はぁぁ、ベッドの上で上体を起こすと、首から胸にかけて吹き出た汗を拭う。Tシャツを捲り上げ、裾で顔の汗を拭うとベッドから降りた。隣を見ると、拓海はとうに出勤した様でシーツのシワだけが残されている。壁に掛かった時計に目をやると8時を過ぎていて、「やっべッ、遅刻する。」と言いながら焦って洗面所へ向かった。- - - 今日は平日。...

『君と まわり道』 46

 拓海が風呂から出てくるまでの間、オレは部屋の隅に畳んで置いた布団と格闘していた。そうしながらなんとなくだけど、頭の中でシミュレーションをしてみたが、ノンケの男の扱い方が分からない。オレは乗っかりたい方だから、そうなると拓海はオレを受け入れる方になるわけで...............。まるで、初体験の小僧のようにドギマギしてしまう自分に笑えてきた。気分が落ち着かなくて、布団を敷き直しては又畳む。バカな事をして...