【妄想男子と恋のゆくえ。】04

 通されたマンションのリビングで、大きなソファーには座らず絨毯の床の上に胡坐をかいて座った俺は、ガラスのテーブルに肘をつくと上目使いに辺りを見廻す。あまりキョロキョロと顔を動かすのも恥ずかしくて、ゆっくり右回りに部屋の中を確かめた。12帖くらいの広さがあるのに、置かれている家具はほんの僅かで、俺んちのようにテレビ台の上にごちゃごちゃと物は置かれていない。50インチぐらいある大きなテレビとこのガラスのテ...

【妄想男子と恋のゆくえ。】03

 自分で言うのもなんだけど、俺は決して付き合いが悪い方じゃない。誘われてカラオケやゲーセンに行くのも好きだし、友達の中にいると安心出来るってのもあって、登下校も必ず誰かと一緒だった。なのに・・・今日の帰り道は何故か森と二人きり。ユッキーが俺に言ったんだ。森は帰国子女で、小学校からずっとドイツに居たらしい。それで、今朝は母親が車で送ってきたが帰り道が分からないと。何でも森の住むマンションは俺ん家の近...

【妄想男子と恋のゆくえ。】02

 北校舎へと続く廊下を歩いていたら、急にアイツの事を思いだした俺。’森 明人’ってやつの顔を何処かで目にした事があると思ったら、幼稚園の時一緒のクラスだった奴だ。昔から周りの子供より頭一個分出ていて、どういう訳だか周りの奴らを睨みつけていた。デカイし睨むしで、すっごく浮きまくってたんだよな。それで、お散歩のときに手を繋いでくれる子がいなくって、仕方がないから俺が繋いでやってた。幼稚園を卒園したら、住...

【妄想男子と恋のゆくえ。】01

 --- 岡嶋 研.......おかじま けん.........、おいッ、聞いているのか? ---張り付いた瞼をゆっくり開き、机に伏せた顔を声のする方に持ち上げてみる。と、見慣れた担任のユッキーの横に、でーんとそびえ立つでっかい男の姿が目に入った。「岡嶋、また寝てたのか?.......さっき登校してきたばかりだろう?!」ウンザリするような顔で言われるが、俺が気になるのはユッキーのいつもの小言ではなく、その横で不愛想に口を閉ざ...

『寄り道しないで帰ろうよ。』 205号室-40 最終話

  アツシは布団に俺を座らせて、Yシャツを脱がすとTシャツを被せて着せてくれる。そして寝転んだ俺のスラックスを脱がした後でスウェットパンツを穿かせた。 吉田くんが見守る中で、俺は照れくさくて内心ではまいっていた。早く帰ればいいものを俺たちのやり取りを見ているし、それでいて何も言おうとしない。一体何がしたいんだ?「なんだか、アツシさんの印象が違いすぎるんすけど。なに甲斐甲斐しく嫁みたいな事してるんすか...