FC2ブログ

【妄想男子と恋のゆくえ。】73

 授業が終わると、いつもの様にバス停までの道をダラダラと歩く俺たち。鳥居はまだヒカルちゃんの事を横山に話していて、いい加減ウンザリ顔の横山が見ていて可哀そうになった。もちろん友達が幸せそうに笑っているのは微笑ましい。が、こう朝から晩までじゃ堪らない。フラれた話を延々聞かされるのも参るが、リア充を目の当たりにして自分と置き換えたりすると、ちょっと複雑な気分だった。森は二人の前では普通に接しているが、...

【妄想男子と恋のゆくえ。】72

 ホームルーム始まりのチャイムが鳴る中、俺は慌てて教室へ駆け込んだ。「あ、研、おはよう。遅刻?」入口に近い席に座る鳥居が、息を切らせて駆け込む俺を見ると言った。ゼイゼイと、背中を揺らしながら「おぅ、........おはよ。」と答える。自分の席に向かうと、後ろに座った森がちょっとだけニヤッとした。きっと、俺が寝坊でもしたのかと思っているんだ。「おはよう。」「おはよう・・・・後で話しあるから。」俺は森の顔を見...

【妄想男子と恋のゆくえ。】 71

  ほんの2~3秒の沈黙がやけに重く感じて、ゴクリと唾を飲み込むと親父さんの顔をもう一度見直した。腰を沈めたソファーの擦れる音が聞こえて、親父さんは立ち上がると俺と森の前に立つ。それから、一瞬フッと鼻で笑った気がすると二人の脇をすり抜けてキッチンの方へと行ってしまう。「父さん、..........」森が背中に掛けた言葉は、ドアで遮断されると虚しく部屋に漂った。行き場のない呼びかけに、「アキト......」と言って...

【妄想男子と恋のゆくえ。】70

 昼のメニューは特大のオムライス。森が作ってくれたのは、鳥のササミ肉とマッシュルームとコーンが入っていて、玉ねぎの無いヤツだった。「うちのオフクロのは玉ねぎ入ってんだけど......、ひょっとして森は玉ねぎキライ、とか?!」俺がニヤッと笑って訊くと、「嫌いじゃないけど.........、ニオイがさ、.........。キスするときは口臭に気をつけたいだろ?!」と言ってちょっと顎を上げた。「は?.......そんなの、気にしねぇ...

【妄想男子と恋のゆくえ。】69

 森は、ベッドの上で膝を抱える俺に近付くと、軽く肩に手をかけて互いの頬を近付けながらチュッと音を出す。そして、今度は反対側の頬を寄せると、またチュッとリップ音だけをたてて身体を離した。「.............何?」キョトンとした顔で言うと、俺は森を見つめた。「言っとくけど、ドイツ人はやたらと他人にチュウなんてしない。ラテン系の民族じゃないんだ。今のが挨拶だよ。」そう言いながら床に膝を立てると、俺と同じ目線...

【妄想男子と恋のゆくえ。】68

 -----恍惚、っていう文字をどこかの雑誌で目にした時、俺は意味なんか分からずにただエロイって思って友達と盛り上がっていたけど........今、初めてそんな気分を味わった。身体がとろけそう..........きっと、俺の脳ミソは溶け始めていると思う。森のキスは、舐めとるように俺の唇を奪うと、静かにゆっくり繰り返される。ただそれだけの事なのに、全身の力はどんどん奪われていくようで、背中に回した腕もいつしかシーツに貼り...