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【妄想男子と恋のゆくえ。】100

 顎があがると、俺は森の甘ったるい舌の動きを感じていた。鍋がグツグツと音をたてる合間に、チュッという吸い付くようなリップ音が入り混じって聞こえると、何故か焦りを感じる俺。それでも、今はこうして甘い微睡の中に居たい。もう少し.......。今度は俺が森の首に手を回すと、その唇を塞ぎに行った。なかなかキスを仕掛けて来ないから、俺の方から行ってしまって少し恥ずかしい気持ちもあるが、いつも受け身の俺は今日は攻めた...

【妄想男子と恋のゆくえ。】99

 「追試も終わったし、森のトコ寄ってもいい?」俺は帰り道、森の自宅があるマンションが見えてくると聞いてみる。突然なのは分かっているが、大抵は森が急に誘って来るし、うちと違っていつも片付いていそうだったから。「う~ん.................」「...........え?だめ?」「あはは、ウソ、ダメじゃないよ。今夜は母さん遅いんだ。良かったらご飯食べて行ってもいいけど....。」そう言われて、俺は心の中で「よし!!」と、叫...

【妄想男子と恋のゆくえ。】98

 「研、今度の日曜日カラオケ行かね?」帰り支度をする俺に、鳥居が誘いに来るとそう言った。丁度教科書を入れ終わって、俺は後ろの森の顔を見ると「どうしようかな.....。」と首を傾げた。「森、メガネ買いに行くのいつ?」「え?.........ああ、特に決めてない。」「なら、日曜日にすれば?」「...............う~ん、ちょっと母さんの用事があって、無理かな。平日ならいいんだけど。」森がそういうから、俺はちょっと残念な...

【妄想男子と恋のゆくえ。】97

 翌日の事。朝、昇降口で一緒になった鳥居が、「森の件、どうした?アイツに話してやったのか、山崎って人の事。」と訊いてきた。「ああ、鳥居に訊いた事話したら断わるって言ってたよ。」「そっか、なら心配いらないな。今まで一回も話した事なんてないのに、どうして誘って来たんだろうって不思議だったんだけど、森って外見で目立ってるから先輩からも注目されてるのかもな。」鳥居が少しだけ安心したように笑顔で話すが、俺は...

【妄想男子と恋のゆくえ。】96

 「あの人、大学生の兄貴がいるんだけど、どうもそっちがヤバイ人っぽくてさ、若い奴ら集めて何かのパーティーを開いているらしい。」「パーティー?!」視聴覚室へ向かう途中、鳥居が話してくれて、あの山崎と言う3年生の兄さんの事を訊いた。大学生って、飲みサークルやナンパ目的のサークルがあるって話だった。それで、山崎って人の兄さんはナンパ目的に女子大生を釣る餌として高校生の男の子を使う。「大体さあ、美大生とか...

【妄想男子と恋のゆくえ。】95

 教室に戻っても俺の心は晴れなくて、後ろに座る森に意識だけ向けるが、何も感じ取れなかった。確かに、あの人は森を困らせる様な事を言った。’見られたら困る’とか..........。でも、森は困らないって言ってたのに、どうして話を受けたんだろうか。断わるつもりだったんじゃないのか?心半分をどこかに置いたまま、俺は午後の授業を受けている。窓の外では風が出てきたのか、校庭のイチョウの枝が大きく揺れていて、俺の胸もザワ...