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『迷惑な落とし物。』24

 帰り道、コンビニに立ち寄って晩ご飯を選んでいたらコートのポケットの中でスマフォの着信音が鳴った。一応周りに目をやりながら、店の奥に行くと開いてみる。それは正臣からのラインメール。『今夜は帰らないので。明日は会社の帰りに7時頃店に寄る。』簡単な短い文章で、部屋には戻らないという事を伝えているが、そもそもアイツが帰るとか、帰らないとかいう事自体変だし!俺の部屋で、アイツは只の居候。もう自分の家に戻れ...

『迷惑な落とし物。』23

 しなやかな髪の毛にドライヤーの風を当てる。ブラシを回転させながら、流れる様に頭の形に這わせると、肩の所で綺麗にまとまった髪は艶を放ち俺もそれを嬉しそうに眺めた。こういう風に纏まると、ブローのし甲斐がある。鏡の中のお客さんも自分のスタイルに見とれているようで。とても幸せそうな顔をしてくれると、こちらも達成感を得られた。「ハルヨシ君ってホントにこの仕事が好きなんだねぇ?!楽しそうにブローしてるから・...

『迷惑な落とし物。』22

-----ガッシャ―――ン//////////美容室の店内に流れる軽快なジャズの音色をぶち壊したのは、俺のひっくりかえしたワゴンが倒れた音。床に散らばったスケルトンブラシやパーマに使うロットがスタイリストたちの足元に転がると、俺は慌てて床に跪きかき集めた。「す、すみませんっ!!」「.....大丈夫?気をつけてねー」先輩にじろりと見られて、「はいっ、すみません。」と頭を下げる。マイッタ-----昨夜の事が頭から離れなくて、ぼん...

『迷惑な落とし物。』21

 背中から抱きしめてくる正臣の手が燃える様に熱い。俺のスウェットパンツをズリさげて、その柔い部分に触れてくるとギュっと力が入った。力の抜けた俺は、正臣の身体の動きに合わせて漂う様に身を任せるしかなくて.........。息がかかる。うなじに、正臣の熱く茹だる様な吐息が掛かり、目を閉じている俺は敏感にそれを感じ取った。身体を密着させると、俺の腰に硬く滾るものが当たり、それだけで恍惚とした表情になってしまいそ...

『迷惑な落とし物。』20

 テレビから漏れ聞こえる音を背中で聴きながら、流しに浸けた食器を洗っていると、正臣が風呂から出てくる。「ハルミも入って来いよ。後はオレが洗っとくから。.....寒い日はしっかり湯船に浸かるのが一番だよなー。」そんな中年のおっさんの様な事を云うと、俺の横に立つ。片側にほんのりと湯上りの体温を感じて、俺はチラッと目を向けた。からだから湯気が立っているようで、なんだか幸せそうな顔で俺の方を見る。一瞬だったけ...

『迷惑な落とし物。』19

 帰るまでの道すがら、正臣にどういって切り出そうか考えていた。カットモデルなんて嫌がるだろうな。とは思うけど..............それに、大原さんが指導してくれるというのも..................なんだか嫌な予感しかしない。あの人、俺と正臣の関係を深読みし過ぎている。何の関係もないのに。変な事を云いやしないかと心配になるが、カットの勉強もしたいし..............。部屋の前に着いて、鍵を開けようとポケットから出した...