『曇天の月』 018


 テーブルの向こうで、真剣な眼差しをする司に、俺は惚れ直していた。
顔がいいだけじゃない。身体の線が好みなだけじゃない。司は頭が切れるっていうか、俺なんかが想像できない事をちゃんと現実のものにしていく知恵を持っている。そこがコイツの魅力なんだと思う。

「涼介の親父さんに話して、あの工場を豊臣に売る様に説得してほしい。」
司は瞬きもしないで、俺の顔を見つめると言った。

「売るって・・・・、そうしたら社員はどうなるんだ?俺や親父は?」
ちょっとだけ心配になったから聞いてみたが、司はニッと笑うと
「そのまま。」と言った。

「え?・・・そのままって?!」俺は益々混乱する。

「先に受け皿こさえとくから、工場の機械も商権も従業員もそこへ移せばいいって事だよ。」
そう言われるが、なんとなく頭がボヤ~ンとしたままで.........。

「ま、そのうち社長と伺うって言っといてよ。」
俺の頭がついて行ってないのが分かったのか、司は話を切った。俺もこれ以上は理解できなくて、ちゃんと調べてから話をする方がいいと思い、「分かった。」と返事をする。

「コーヒー、お代わりする?」と言うから、「いや、・・・もう充分。遅いし、帰るよ。」
俺はマグカップを手に取ると、流し台の所へ持っていく。取り合えず洗っておこうとスポンジを手にしたが、自分のコップを流しに置いた司が、俺の背後に立つと腕を回してきた。

「お、・・・・」ちょっとだけ嬉しくなった俺。
でも、手はスポンジの泡で使えない。そのままコップを擦りながら背中に体温を感じていると、司が俺の腹をすっと撫でた。
「うつ、!!」思わずくすぐったいような、気持ちいいような感覚でうめき声が出る。

「ふふふ、どうだ?手が使えないのって感じる?すっごく敏感になるだろ?!」
楽しそうに、司の指先が上から降りてくると、俺のズボンのベルトを緩める。
後ろから器用に外されて、そのまま隙間から指を差し込むと、茂みの付け根をぞリぞりと擦られた。「おい........。」感じながら振り向きも出来なくて、ただ神経は一点に集中し出す。





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