境界線の果てには。(010)

-うっ・・・

さすがにキツイ。
いくらイった後とはいえ、全然解してないんだ。先の方が入ってるだけで、これ以上は進めない。

真咲は自分の下で眉間にしわを寄せている広斗の顔を見た。
......ぅ...........うう.......っ
必死にこらえている広斗の口元が歪んでいて、これでは怪我をさせてしまうと思った。

「ひろ、と・・・」
そう呼んで真咲は躰を離すと、広斗の横にドサツと倒れ込んだ。

「・・・ま、さき?」
顔を向けた広斗の目がパチクリとする。

「ど、した?なに・・・え?ヤメんのか?」
「・・・ああ、・・・ごめん。これじゃあ騙し討ちだな。」

はぁぁぁ~っと息を吐いて、真咲はごろりと背を向ける。

多分コイツのは勃ったままだろう。
俺に負担が掛かるから止めたんだろうな。


広斗は、そんな真咲の優しさを知っていた。

いつだって俺を優先してくれる。
俺がイヤだと言えばそれ以上はしてこなかったよな。

「なんだよ、俺ばっかりイっちゃって悪かったな。お前まだ・・・」

「・・・も少ししたら落ち着く。話しかけんな、気が散る。」

なに、ソレ・・・まあ、ヤんないんならいいけどさ。

広斗は真咲と背中合わせに横になると、壁を見つめた。

そして、少し反省。 今までどれだけ奉仕ばかりさせてきたか・・・。
女の子とのエッチだってそうだった。自分が満足したら終わり。

だから真咲の事も良くしてやれないんだ。テクなしの早漏だもんな・・・・俺。
触られなくてイっちゃうなんて・・・情けなくて穴があったら入りたいわ!

広斗がどんより落ち込んでいる横で、真咲は勢いよく立ち上がると「便所」といってベッドを降りた。

弾んだベッドの上で、広斗はじっと目を閉じる。

バカな話。どっちが上とか下とか・・・・。
何を焦ってんだよ、俺は・・・・

広斗は、グッと躰を起こして自分の腹の上の精を拭った。ついでに後孔に塗られたものも。
新しい下着をはき、スウェットパンツを穿いてキッチンへ行くとコーヒーを入れる。
冷蔵庫から牛乳を出し、コーヒーに入れると”カフェオレ”の出来上がり。

テーブルに二つ用意をしたところで真咲がトイレから出てくる。

「お早いお帰りで、、、」
広斗がフザケ気味に言うと、真咲がカフェオレの入ったコップを手に取ってクスっと笑う。

「言っとくけど、早漏じゃないからな?」
少しの気まずさは勘弁な。これはいつもの俺たちの事情だ。
ホント・・・こんな事繰り返してなんになるんだろ。

俺は女じゃない。・・・当たり前だ。
けど、真咲にとっての俺は、女の代わり・・・だろ?!

守りたいとかなんとか言って、俺を女みたく大事にするから・・・・・
俺は、勘違いしちゃうんだ。

男の躰と女の気持ちの狭間で、自分自身を立たせているのがやっと。
気を抜くと女の脳になっちゃいそうで怖いんだよ。
自分の中でしっかり線引きしたくて・・・・
だから、真咲にとっては大したことじゃない掘るとか掘られるとかにもこだわっちまう。

青木広斗が男でいるために、俺たちは別れなきゃ・・・と思う。

「なあ真咲、俺たち離れようか?少し近づきすぎてる。」
「え?・・・」

「だし、もう就職内定もらったやつとかいるじゃん。俺ら、こんな事してらんないだろ?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」












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