【曼珠沙華】 炎に落ちる 009


 【大好きなチハヤ】

写真の裏側のスミに、小さく書かれた桂の文字が、頭の中でぐるぐる回っていた。


これは・・・友達っていう意味で、だよな。
そう自分に言い聞かせる。

でも、・・・・・いつ書いたんだろう。
俺に渡してくれと言われて今まで持っていたけど、もしも俺に渡す機会があったら・・・・。

いろいろ想像したら、自然と口に手が伸びる。

片手で口を塞ぐように覆うと、そのまま指を降ろして唇に持って行く。

下唇を指の腹でなぞると、またあの日の記憶が・・・・・


いけないと分かっている。

こんなのは・・・・アイツを汚す事だって。

でも・・・・・、俺の指が勝手に口の中をまさぐる。

自分の舌の柔らかさに興奮して、もう一方の手が下に伸びると・・・・・・。


ベッドに背を預けて自分の指を舌で味わった。
そうして、下に這わせた手で自分を慰める。

あれ以来、俺のおかずが自分の指、とか・・・・・・。
恥ずかしくて誰にも言えないけど、グラビアアイドルを見ても何の反応も示さないんだ。

ただただ、あの日の桂の指を思い出してはこんな風に慰めるばかり。
やっぱり俺はおかしい。

そう思いながらも、ヌチヌチと音をたてて扱く手が早まると、指を入れた口からは熱い吐息が洩れた。

はぁ...................ぁ.............あ、

頭の中が真っ白になって、太ももの筋肉が痙攣し出す。
俺の全神経は、自分の舌とはち切れそうな俺のものに注がれ、周りが見えなくなると、最高潮に昇りつめた。

イキそうになって、口から指を離すともう片方の手に添える。

あ、........ ぁんっ、...........んんっ、

飛び散るしぶきを片手で受け止め、ベッドに頭を乗せたまましばらくの間天井を仰いだ。


- っは、はは・・・・・・どうしよ、ヤベぇ。
今日は、天井に桂の顔が浮かんでる・・・・・・・。



ベッドサイドに手を伸ばしてティッシュペーパーを掴むと、手の中の証を拭い取る。


- 今日だけ、・・・・・今日だけだから。


自分に言い聞かせながら洗面所へ行くと、手を洗ってから顔も洗った。

目の前の、鏡に映った自分の顔を見る。

少し癖のある前髪が、水を滴らせて顎まで伸びている。
切るのが面倒で、伸ばしっぱなしの髪。
その髪の間から、今まで見た事のない自分の顔が見える。

鏡に映る自分の瞳が、憂いを帯びて赤くなっているのが分かった。

これが、俺の性癖なのか・・・・・?

洗面台の淵に手を掛けると、俺はガックリと肩を落とした。







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