【曼珠沙華】 炎に落ちる 038


 「やっぱり帰った方が良かったかな・・・・」

ひとりごとを言うと目を開いた。



カラオケ抜け出して柴田と中島さんをくっつける気でいたけど、考えたら俺のおせっかいで・・・。
あの二人がいい感じになるかどうかはわからない。
中島さんは俺の事を好きになっちゃったんだもんな・・・・。


男と女ってわからないな。
桑田さんと桂も、・・・・・・。

いい感じに見えたのに、別れちゃったらしいし・・・・。
桂がフラれた感じ?!

アイツ、あの娘に手出しできなかったんだな。
そう言えば、前に見た時も桑田さんの方から桂の手を繋ぎにいってたっけ・・・。
なに?!・・・純情系?!

・・・俺にはあんなチューしたくせにさ。

未だにあの感触は覚えている。
おかげで俺は自分の口に指を入れるクセがついちゃったし・・・。


色々考えていたら気持ちも落ち着いたのか、俺はソファーから起き上がると勝手に冷蔵庫を開けて物色し始める。
中にはいろいろな飲み物が入っていて、暇だし、適当に飲んだことのないものを開けてみようと思った。

ピンク色のソーダが入った瓶があって、それを開けるとガラスのコップに注ぐ。

シュワーって音で、きれいな泡がコップの中で弾けた。

一口飲むと、意外とウマイ。
ジュースにしてはまったりとした感じ。飲み込むときに、少しだけ喉がシュワって焼けるけど・・・。


天野さんを待つ間、走って喉が渇いた事もあって、俺は全部飲んでしまった。


しばらくすると身体が熱くなって、取り敢えずジャケットを脱いで椅子の背に掛けたけど、ついでに靴下も脱いでしまった。

はぁ~~~

退屈だな・・・・・。
誰かスタッフは来ないのかな。

時計を見ると7時をまわっている。
美容室は7時までだから、もうすぐ天野さんも上がって来るかな・・・・?!







・・・突然、ふわ~っとカラダが浮いた感じがして、目を開けなくちゃ、と思いながらも閉じたまま身を任せていた。
いつかの感じだ・・・・・抱えられているのかな・・・・・


少し弾力のある所に身体を横たえた気がして、そのまま足を伸ばす。

顔に息がかかると、俺はそっと瞼を開いた。


「・・・天野、さん?・・・」

じっと目を見つめられて、瞬きも出来ない程。
でも、瞳の奥は熱を帯びていて、今にも俺にキスをしてきそうだった。

俺は腕を伸ばすと、天野さんの首に回して抱きつく。


「未成年のくせに、酒なんか飲んで・・・。っていっても、オレが置きっぱなしにしていたんだけどな。」

「酒?・・・あぁ、そうか・・・それで?!」

「トモダチと遊んでたんだろ?どうしてここへ来た?!」
天野さんが俺の頬を指でなぞる様にして聞く。

「分かんない。・・・あの女の人どうしたの?帰った?」

「あの女性はクラブで働いているお客さん。同伴出勤頼まれたからさ。・・・これでも営業のつもりだ。」

- ああ、同伴・・・て、何処かで聞いたような気が・・・。


「一杯だけ酒に付き合って戻ってみれば、少年がゆでダコみたいに真っ赤になって机に突っ伏してるし・・・。」

「俺?・・・そうか、酔っぱらって意識が飛んじゃった・・・。」

ずっと首にしがみ付いてしゃべっていたから、さすがに疲れたのか、天野さんは俺の胸に顔を沈めた。

「千早くん・・・、あんまりオレを煽らないでくれよ。酒も少し入って回っているんだ、セーブがきかなくなる。」

そういうと、俺のシャツをたくし上げて腹にキスをしてきた。


「セーブって、なんで?」
「一応、千早くん未成年だから。最後まではできないだろ。」

天野さんはそんな風に考えていたんだ・・・。
どうして俺の中に入って来ないのか不思議だった。
いつも俺ばっかり気持ちが良くて、最後は二人で扱いて果てるけど、そういうのがいいのかと思っていたんだ。

「天野さんは俺を抱きたい?」胸元に目を落として聞いてみる。

「そりゃあね、でも、オレは男とするなら挿れられたい方なんだよね。千早くん、挿れてみる?」

「・・・・・・。」

ドキッとした。

てっきり俺がそっち側になるものだと思っていたから・・・・・・・。




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