【曼珠沙華】 炎に落ちる 062


 - 結婚 - - - 

それはあまりにも突然の報告。
こんな色気も何もないアネキに、付き合う男がいたってだけで驚きなのに、結婚って・・・。

「アネキ、マジで言ってるの?この間の人と別れたんじゃなかったのか?」

「・・・は?別れてないわよ!!」

おかしいな。確かうちの母親がフラれたって言ってたような・・・・。
まあいいや、と思い直してアネキを見る。

普段は男みたいな言葉でしゃべるくせに、今日はなんだか頬まで染めてかわい子ぶってる。
母親に似て、あっさりした性格で、どちらかと言えば男勝りって感じ。
きっと相手の男の方が、押されたに違いないと思った。

「それで、俺は何をすればいいんだよ?!相手の人、会いにくるの?娘さんをくださいとか・・・?!」

「・・・・まあ、ネ。」
「なら、それでいいじゃん。俺に味方になれって言ったって、親父たちが反対するかどうかも分からないのに・・・。」

桂と二人顔を見合わせながら言うと、「羨ましいな・・・。」とポツリ。
桂が小さな声で言った。

俺はまた、桂の顔を見なおす。隣でアネキの方を見て微笑んでいるけど、その表情は少しだけ切なそう。



「まあ、いいよ。もし親父たちが反対した時は、俺が応援に回ってやる。アネキが幸せになるんならそれが一番だしな。」
「ありがと。千早・・・・・。」

少し眉根をさげると、泣きそうな顔で俺を見る。
結婚って、大変な事だと思った。
人生の大半を好きになった人と暮らすんだ。すごく楽しい事なんだろうけど、実際はうちの親父たちのように喧嘩もする訳で。

・・・なんとなく俺には実感が湧かなくて。

桂と一緒に居る時間は楽しいけど、暮らすっていうのはどうなんだろうか・・・・・。







その晩、家に戻ると言う桂を見送ろうと、玄関へ行った俺に、「千早は結婚したくない?」と聞いて来た。
「え?結婚??・・・」
俺が驚くと、桂は靴の先をトントンとしながら「千早と結婚出来たらいいのにな・・・。」とポツリ。



「・・・・ぇ?」
さすがの俺も顔が火照った。こんな言葉、桂の口から聞けるとは・・・・。
確かに神社で祈ったのは、ずっと二人が一緒に居られますように。って事だった。
でも、それが【結婚】って意味とは思ってもみない。

「・・じゃあな、学校始まったら時々は勉強教えに来るから。店の手伝いしない時は電話して。」
「うん、・・・・分かった。ありがと・・・・。」


軽く手のひらを合わせてタッチすると、ドアを開けて出て行く桂。
そのまま、ドアが閉まりきるまで見届けた俺は、一人玄関にしゃがみ込む。


- ああああああ、、、、クソ恥ずかしいッ!!

自分の肩を抱きしめるように、一人悶絶しながら言う俺。


その時、ガチャリとドアが開くと母親が顔を出したが、しゃがみ込む俺を見て目を丸くしながらも、「風邪ひくよ。」と言ってリビングへ行く。



・・・・・、この性格だ。案外アネキの結婚は大丈夫なんじゃないか?と思った。






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