【曼珠沙華】 炎に落ちる073


 帰り道、外灯に照らされながら歩く二人の影が、ピッタリと寄り添う。

付かず離れずの微妙な距離を超え、しっかりと腰に手を回して歩けば、もう誰に見られてもいいと言う覚悟で・・・。
俺は桂の事を心から好きと言えるし、桂もきっと俺だけを見ていてくれる。
そんな確信があって、桂の家の方向に向かうと、玄関の横の塀の隙間に身体を入れた。

互いに見つめ合えば、どちらからともなく唇が触れる。
湿った空気が二人の息を余計に湿らせて。

ンチュッ、..................チュ、

何度もキスを交わし、頬に手を当てながら互いの瞳を確認する。

トロンとした瞳の奥で、熱く燃える情熱を確かめ合うけど、残念ながら帰る時間だ。

「.......はぁ、.......明日が休みなら良かったのにな。」
俺が桂の腰に手を回すと言った。

「日曜日ってあっという間だよな。でも、また時間のある時電話して。オレが千早の家に行ってもいいし・・・。」

「うん、そうだな。隣の部屋にアネキはいないし声が出ても平気かもな。」
そう言って桂の尻を揉むと、「バ~カ。そういう意味じゃないって。勉強教えに行くって事だよ。」と言われる。

「ああ、そっち、な!」
二人でゲラゲラ笑うと、自然に身体を離した。


「じゃあ、おやすみ。またな・・・。」

「うん。おやすみ・・・。」

チュッと、最後にキスを交わすと、俺たちはそれぞれの家に戻って行った。





その晩は、静かになった部屋の中で、天野さんたちの顔が浮かぶと変に顔がニヤケてしまった。

あの二人も同級生か。


天野さんたちも、今の俺や桂と同じように悩んだりした時代があったのかな。
あの、立花さんって人、結構面白そうな人だった。

オカマって言葉はあんまり好きじゃないけど、あの人は堂々としていたな・・・・・・。
どう見ても男なんだけど、本人的には満足しているんだよ。
あんなに付けまつげ付けなくたっていいのに・・・・・。

- まあ、でも、面白そうな人。




そんな事を考えているうちに、辺りはすっかり明るくなって鳥の声まで聞こえてきた。




いつも通りの朝を迎えて、電車に揺られれば、馴染みの学校へと着いた。

受験まであと半年・・・・・。






ご覧いただき有難うございます 
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

スポンサーサイト

コメント

非公開コメント