境界線の果てには。(021)

心地よい疲労感を感じ瞼を閉じるが、隣にいる広斗からの熱い視線が、オレの皮膚を貫きそうでビリビリする。

昨夜からの流れでどうなる事かと思ったが、広斗がいつもぐるぐると頭を巡らせていることは知っていた。

出会った頃は、どうして倒れるのか分からなかったし、そういう病気かと思っていた。

でも、高校生の時の事故が原因だと分かって可哀そうになったんだ。可哀そうな広斗。


そう思っていたのに・・・コイツ節操なしに次から次へと男とセックスなんかしてやがった。

しかも遊びで! ・・・・・信じられない。

そのうちえらい目に合うんじゃないかって心配になって、目が離せなくなった。だから言ってやったんだ、オレが守ってやるからオレのものになれって。

広斗の初めてをもらって安心しちゃってたな。

女扱いなんかした覚えはないんだけど・・・

まさか、スカート履かされるとか思ったのか?・・・・まさかでしょ!

でも、ちょっとスカート履いた広斗を想像したら・・・・ククツ・・・・

「おい、起きてんだろ?真咲・・・」

「ん?・・・あ、わりぃ・・・」片目だけ開けて広斗を見る。

「もっかいシャワーしてくるな?!真咲はどうする?」

「んーーじゃあ、一緒に入る。腹ンとこ、がびがびになっちゃうもん。」

そう言って起き上がり、広斗の腕を引き寄せて風呂場へ直行。

汗をかいた頭をワシャワシャと洗ってやると、いつも通りのツンとした顔で上を向き気持ちよさそうにしている。

オレは、広斗のこういう顔も好き。

何に対して虚勢を張っているのか知らないが、コイツなりに必死で立っているんだ。

人には言えない不安をいっぱい抱えながら・・・・・自分を持て余してるって言ってたもんな。

「真咲、腹減ったんだけど・・・・なんか作って!」

目をギュっと瞑ったまま広斗が言うので、子供みたいだな、と思う。

「おー、いいよ。食パンあったしツナ缶で、サンドイッチでもするか?」

「うん。よろしくー。」

やっぱり、オレは広斗を甘やかしているのかも・・・・・

真咲は広斗の頭にシャワーのお湯をかけながら、ニヤケる口元をもう片方の手で押さえた。


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