【曼珠沙華】 炎に落ちる081



 あれから1時間.........。

俺の意見とか気持ちとかを無視して、どんどん進められるモデルとしての役割。

結局、女性モデルと二人で撮影して、何十枚もの写真を撮られ、どれが載るのかは知らないけど正直マイッタ。


高校生の俺が、長髪のボサボサ髪をしているのを気に入るって、全く変な人たちだ。
俺自身、感覚だけで生きてる所があるけど、この人たちとは又違う気がする。
それに、写真の事はよく分からないし.................。


「ごめんね千早くん。疲れたよね?!良かったら何か食べに行こうか?」

天野さんは気遣ってくれるけど、俺は腹が減った事よりも、この状況が理解できていなくて戸惑ったままだった。

「あの、もう帰ってもいいんでしょうか?!・・・ご飯は家で食べるんで・・・。」

「あ、ああ、もちろんだよ。お使い頼まれて来て、こんな事になっちゃって・・・、ごめんな。」

「いえ、・・・まあいいですけど・・・。じゃあ、これで失礼します。」

「うん、気を付けてね。」 「はい・・・。」

ペコリと頭を下げると、俺は階段を降りて下の店から出て行った。
その時、エリコさんたちがニコニコと微笑んでくれたから、ちょっと恥ずかしくなったが、一応さよなら、と挨拶をして帰った。




家に戻ると、母親が遅かったわねぇ、と言ったが、さっきの事を説明してなんかの雑誌に載るらしいことだけ伝えた。

「うっそ!!千早が?・・・・・や~ねぇ・・・ちょっと鼻が高いかも。」

まんざらでもない様子の母親を見て可笑しくなった。男の俺が、モデルみたいな事をするのは気にならないんだな。
母親がこんなに喜ぶのなら、きっとアネキに伝えたら大騒ぎになるな。
きっと、何処の雑誌に載るのかとうるさく聞かれそうだし、アネキには黙っていようと思った。




しばらくは、特に何も変わり映えしない日々が続き、俺は学校と家の往復だけをしていた。

桂にも最近会えなくて・・・。
じいちゃんの退院が決まったとかで、家の中を改装する手伝いがあるとか。
半身が少しだけ不自由になって、廊下を歩くのに手すりが必要とか言っていた。そういう事まで、桂が率先してやっているから大変だと思う。でも、手伝わなくていいって言われたし、俺は受験勉強に集中しなきゃならない。


桂に教えてもらった事が生かされるように、俺も勉強に身を入れるしかなかった。
年が明ければ受験は目の前。

桂と同じ大学には行けないけど、また4年間は学生でいられる。
その間にやりたい事が実現できるようにしなくちゃ・・・。


勉強漬けの毎日を送っていた俺に、不思議な事が起こり始めたのは、その後しばらくしてからだった。





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