【曼珠沙華】 炎に落ちる146


 -----シーツを掴んだ手が震えてしまう。

俺は、自分の身体が覚えた快感をおーはらに知られるのが怖かった。
これは、俺と桂だけが交わした行為。’快感を得る為’というよりは、愛情を注ぎ合うような営みだった。

なのに、おーはらが与えた刺激で簡単に疼くなんて...............


「........ごめんなさい。イヤでしたよね?!」

そう言うと、おーはらはゆっくり身体を起こし枕もとのティッシュボックスを掴んで、俺の背中に散った自分の残骸をペーパーで拭った。
自分の身体も綺麗にしているのか、しばらくはベッドの上にとどまっていたが、俺が何も声を掛けないので、そっとベッドから降りる。

「タオル持ってきます。」

それだけ言うと、ドアを開けて階段を駆け降りていった。
その足音がやけに響いて、いつまでも耳を澄ましていたが、おーはらの気配が無くなると、やっと手の震えも収まりゆっくり呼吸できるようになる。


自分で身体を貸すなんて言っておいて、今更挿れられるのは嫌とか・・・・・
ムシのいい話だよな。
おーはらが完全なネコだなんて、どうして思ったんだろう.......

そもそも、桂に気兼ねしているなら、何故おーはらを拒まなかった?!

沈んだ気持ちのまま横たわっていると、下から濡れタオルを持ってきたおーはらが声を掛けてくる。

「小金井さん、拭きますね。・・・・シャワーは明日の朝に浴びて下さい。」

「...........」

俺は、喉元に出掛かった言葉を呑み込んだ。
- 挿れたら殺す、なんてウソだ。

そう言ってやりたかったが、そんな事を訂正するのも可笑しな話で。
タチ専だっているんだから、別に嫌だと言ってしまえばいいだけの話。

「おーはら、・・・・・オマエ、一人で寝たくないんなら、ちゃんとした恋人作れよ。」

「............え?」

「すぐじゃなくても、成人してからでもいいけど、恋人と一緒に暮らしたっていいんだ。」

「..................」

俺の背中を拭く手が止まった。
息を飲み込むような、おーはらの「ヒクツ」という声が聞こえたが、俺は「いつでもいい、そんな奴が出来たら俺に言え。その時は少しぐらいの援助はしてやるよ。」と伝える。

「.......わ、かりました............。その時は、言います。」

「うん。」

その言葉を交わした後、おーはらはタオルを片付けて下へ降りて行ったが、そのままベッドには戻って来なかった。




朝になって俺が目を覚ますと、いつもの朝食の用意は無くて。

ガランとした居間に飾った桂の写真立ての前には、綺麗な花が生け変えられていた。
俺は、おーはらが変えてくれたのだと思ったが、特に気にも留めず、その夜になって初めておーはらが出て行ったことを知る。




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