境界線の果てには。(029)

ジュウーーーーという肉の焼ける音と、ニンニクの香ばしい香りが狭いアパートの部屋に充満する。

「あぁーーうまそうーーー」
目の前のステーキに目を輝かせている男二人。早速ナイフとフォークで切り分け乍ら口に運んだ。

「うめぇ・・・やっぱ値段じゃないんだよ。焼き具合じゃね?あと、ニンニク。バターと醤油も有りだな。」
真咲が自分で焼いたものだから、えらく満足気な様子で語っている。

「そうだな、焼き方がいいんだよな?!うまいよ。」
広斗も素直にほめたので、さらに真咲の鼻は高くなったようだ。

「それにしても、末永先生ってまだ33歳なんだってな?!えらく若いのに開業するってスゲエな。しかもイケメンらしいし。」

-ブフォツツ、、、、
広斗が真咲の言葉にむせた。

「ゴフォツ、、な、なんでそんな事真咲が知ってるんだよ?!」

「え、だって隣の家のおばちゃんが教えてくれた。」
「はぁ???となりの、って・・・」

「や、広斗が入って行った後、外でじっと見てたらさあ、おばちゃんが話しかけてきて・・・『ここの先生はまだ33歳でお若いのにすごいわねぇ。それに顔もいいのよぉ、歳のわりに童顔なんだけどいい男でね』ってさ。」

-はぁぁ・・・やっぱりおばちゃんは、そういう情報早いなぁ・・・イケメン情報なら尚更か。

「広斗、よくあそこに病院あるって知ってたな。家の方向と違うし目に付かないじゃん。」

あ、っと喉まで出かかったが、一瞬躊躇した広斗。その後間が空いて
「昔、入院してた時の主治医だったから・・・オフクロが教えてくれた。」
そういうと、大きく切った肉を口に運んだ。

「へ、ぇ・・・そう?!・・・」
ちょっと含みのある言い方だが、真咲はそれ以上は聞かなかった。

あまり昔の事故に触れる事は避けたい。きっと広斗もそう思っていると思うから。

「今度はちゃんとサラダとか、付け合わせの芋やニンジンも付けるからな。」
そういうと黙って肉を食べ終えた。

広斗も口いっぱいに詰め込むと、胸の前で手を合わせ「ごっそさん」とお辞儀する。

二人で食器を洗い後片付けをすると、もう9時になろうとしていた。

「じゃあ、俺は、・・・帰ろうかな。」
真咲が隣の広斗にいう。

「・・・・・うん。今日はホント、色々アリガトな。怪我もしなかったし・・・肉もうまかったし・・・」
段々俯き加減になる広斗。

そんな広斗の肩をグイッと引き寄せると、頭をゴツンと当てながら
「なんだよ、今日はやけに素直じゃん。そんな可愛い事言ってると襲っちゃうぞ?」
広斗の耳をガブリと噛んで言った。

チラッと少し上目ずかいになる広斗。

視線が絡んで、互いの口元が近づく。身長差は5センチ程なのに、隣の真咲がすごく大きな男の様に広斗の目に映った。

真咲の胸に躰を預けると、目を閉じて唇の柔らかさと奥で濡れる舌の感触を確かめる。

真咲が、広斗の背中と腰に手を伸ばし前を密着させれば、互いの強張るものが熱を持っているのを感じあう。

......ぅ......ん........ん.........

クチュツ、という唾液の交わる音が二人の感情をさらに高めた。

「......ひ、ろ......」
「ん.........ま.............さき.......」

二人の息が上がると、立ったまま密着した股間を押し付け合い、広斗の足の間に真咲の足が入ると、さらに擦りつけるように腰を動かしあった。

ん、.....ぁぁ............んふぅ..........

「ヤ.......だ。............も......」
言葉が出ない程快感に震える広斗。

そんな広斗の躰をベッドに落とせば、真咲が広斗のベルトに手をかける。




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