境界線の果てには。(031)

 キッチンで暖かいコーヒーを入れると、それをふうふうしながら口に運ぶ広斗。

「あんなのよく毎回飲み込めるな。・・・アレか、女の子にもそうさせてんのか?」

広斗の言葉にムッとして眉を寄せた真咲が、後頭部からチョップを打つ。

「イテツ!アチツ!!///あっぶねぇな。。。」

床にこぼれたコーヒーをティッシュペーパーで拭くが、真咲は知らん振り。

「今日は泊って明日の朝帰ろっかな。・・・どうせ3限からだし。」

真咲がベッドのシーツを剥して、くるくるとまとめ乍ら言うと、広斗はカップをテーブルに置いて、替えのシーツを取り出す。

「俺は明日は出なくても大丈夫なんだよ?!単位取れてるからな。」
偉そうに上を向き乍ら広斗が言う。

「はツ、そうですか?なら、手加減しなくても良かったな。残念。」
「え?・・・・ああ、・・・そっか、最後までしてないか・・・」

-きっと俺が倒れたもんだから、加減したのかな?
真咲らしい・・・。

「シャワーして来れば?俺のパンツ貸そうか?」
広斗に言われるが、「持ってるから。」と真咲が答えた。

「え?お前パンツ持ち歩いてんのか?キモツ!!」
一歩飛び跳ねて言う広斗に
「常識だろ、世の中、一歩外に出たら何があるか分かんないんだよ?昔<帰宅難民>てのあっただろ?」
「ああ、地震の時な?!あったあった。・・・で、なんでパンツ?」

「オレは朝と晩にパンツを取り換えんの!寝てる間に汗かくだろ?だから、もし家に帰れない事になってもパンツだけは履き替えたいんだよ。」





「へ、ぇ........」
どーでもいいような気もするが、まあ、人それぞれだし、否定したら悪い気がして、相槌だけうっておく。
それにまた一つ、真咲の事が分かったような気がして、ちょっとだけ嬉しい広斗だった。

それでもTシャツだけは大きめのを貸してやり、シャワーを済ますとベッドにダイブして二人でくっついて寝た。

-いろんなことがあった一日だけど、結局は真咲の優しさを味わって休めるってのが幸せなんだと思う。
末永先生にも・・・・また会えたし・・・・


真咲の肩にオデコをつけて眠る広斗。
それを横目で微笑みながら見る真咲。

二人の間には、ふわふわとした暖かい空気が漂っていた。




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