『君と まわり道』 21

 暗がりの中、ベッドの上で向かい合うオレと拓海。

あの晩、マシューで晩飯を食べていたオレたちは、何年かぶりで’松原あけみ’と出会った。
もちろん偶然以外の何物でもないが、オレは、別れた二人に挟まれて変なテンションになる。
何か話題を・・・と思って高校時代の話を始めたが、それとなく盛り上がると、別の店に呑みに行くことになった。
でも、それが悪かったんだよな...

ベロンベロンに酔った松原を放っておけなくて、オレたちの部屋に連れて来たんだ。それで、あんな事になったんだけど、松原がオレに言った言葉。
「拓海の前であたしたちが抱き合ったら、どうなるかな。カレの本心、見てみたくない?」
確かそんな事を言った気がする。


「オレはさ、お前にブン殴られるかと思ってた。だって、別れたとは言えお前の女だったんだからな。」
胡坐をかいてオレが言えば
「こっちはそんな事より驚きの方が大きかったんだ。お前、ゲイのくせになんで女とヤってんだって!」
拓海は両手で顔を覆った。それからごしごしと擦りながら、再びオレの方を見る。

「正直言って、あけみの事よりアツシの方に目がいって........コイツこんな顔で男を抱くのかって思ったら.......」
そう話す拓海の瞳は熱っぽかった。

「結局さ、あけみはアツシを焚き付けて自分のモノにするつもりだったのかも。それとも、俺が気づくのを見透かしていたのかもしれないな.......。」
「気付く?...............何を」
少し目を見開いて聞く。戸惑いながら次の言葉を探す拓海に、オレは手を伸ばした。

横たわる拓海の、胸の上で組まれた腕に触れると、じっと言葉を待った。
それがオレの欲しい言葉なのかどうか......。

「あけみと付き合える喜びよりも、アツシが俺から離れて行く寂しさの方が勝っていたって事。俺はあけみと居てもちっとも嬉しくなかったんだ。だから、別れる事になって内心はホッとした。これで又お前とツルめるって.....。」

オレの置いた指をじっと見つめると、そのまま視線を上にあげる。
それから拓海は、オレの手をとると指を絡めた。

「............たくみ?」
「アツシ、俺.................」
そう言うと、絡んだ指を引き寄せるように力を込めた。
その勢いで、オレの身体は前のめりになると拓海の上にかぶさる。

「俺、気付いちゃったんだ。アツシの事が好きだと思う気持ちは、友情のソレとは違ったって事に.......。」
「.........ぇ?..........そ、」
「だから追い出した。............あの後、もう一緒には住めないと思った。俺たちの友情がおかしな方向へ行くのは怖かったんだ。」
「...............拓海、............それは、........オレだって.....」

しばらく沈黙が続く。頭の中で整理したいが、気分が高揚して自分の気持ちを抑えるのに必死だった。



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更新が遅くなりました(*ノωノ)
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