『君と まわり道』 23


 - 眠れない.........
身体は疲れ切ってへとへとなのに、神経だけが冴えてしまい閉じられた瞼の奥で眼球が動くのを感じると、収まりが悪くて寝付けなかった。
寝返りを打つと拓海の方に身体を向ける。

 拓海の静かな寝息は耳に優しくて、オレは子守歌代わりに聞いていた。
それと同時にさっきの言葉を思い出す。
拓海が言った言葉。オレの事を好きだと.........
その気持ちは、友情以外の物だと気づいたって言っていた。

オレもそうだ。だからキスしたくなったんだ。
キスして確かめてみたくなった。

これは、ある意味両想いになったって事なんだろうか。
きっとそういう事なんだろうな.........
でも、だからと言ってこの先どうすればいい?オレは取り敢えず看病しに来ているだけだし....。
そんな事を考えていたら、また眠れない夜を過ごす事になりそうだ。


- - - 
あくる朝、やっと眠りについたと思ったら拓海が起きて仕度を始めだした。

「....おはよ、会社行くの?大丈夫?」
オレが掠れた声で聞く。
「おはよ、大丈夫だ、昨日しっかり休んだし。アツシはまだ寝てていいよ。」
「ん、........そうだな。カギ、ポストに入れておく。」
「.................ああ、.............じゃあな。」

自分で言って後から気づいたが、ポストに入れておくって事はここへは帰って来ないって言っているようなものだった。
確かに、この部屋はもうオレの部屋じゃない。ここを出た日、合鍵は拓海に返した。あの時は、もう二度と戻る事は無いと思っていたから............。

目を閉じたオレの耳にはドアの閉まる音が聞こえて、暫くすると階段を降りて行く足音が聞こえだした。
その音を聞きながら、オレはまた眠りに落ちた様だった。


- ピピピ...........ピピピ...............

目覚まし用の携帯のアラームで起こされて、眠い目を擦りながら洗面所で歯を磨く。鏡に映った自分の顔を見て驚いた。
- すげッ、目の下クマが出来てる.........。
 客商売なのに、これじゃあお客さんに心配されちゃうなぁ。
指先で押さえてみたけど、消える様子は無くてじっと鏡を見つめるばかりだった。






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