『君と まわり道』 33


 長続きしないって...........

「誰と付き合っても長続きしないって、それ、オレと付き合ってもって意味?」
揚げ足を取るわけじゃないけれど、気になって聞いてみる。

「.......、それは............。そんなの分かんねぇよ。だって男と付き合うのも初めてだし、相手がアツシだし...........。」
拓海は少しだけふくれたように口を尖らせるというが、オレはなんだか自信が無くなった。今までの様な気軽な感じで付き合ったりは出来ない。相手は拓海だ.........。

「付き合うの、やめたくなった?」
「え?」 

拓海の質問に目を丸くするが、気持ちのどこかにあった’ヤバイな・・・’という想いを気付かれた?と焦る。

「オレ、ノンケとは付き合った事ないし、拓海の事意識してたのは事実だけど、それが付き合いたいって事だったかどうか分からないんだ。好きだよ?!お前の事。エッチな想像もした事ある。だけど、.............」

正直に答えたつもりだったが、拓海は眉根を寄せると黙ってしまった。


空になったお椀を流し台に持って行くと、「置いといていいよ、後で俺が洗うから。アツシは薬飲んで寝ておけ。」と言われベッドに入った。
怒っている訳ではなさそうな声に安心する。オレも困惑しているけど、拓海だってきっと困惑しているはずだ。
身体の関係になったとしても、拓海は拓海だ。別に何かが変わるわけじゃない。ただ、ここから先へ進むのが............。

ウダウダと、同じ事を考えてばかりのオレはなかなか寝付けない。それに昼間寝ていたから尚更だ。

何度も夜中に寝返りを打つオレに、「眠れないのか?」と声がかかる。
「うん、昼間ずっと寝ていたからな......ごめん、気になるよな.........」
オレは申し訳ないと思いつつ、身体を丸めると背中を向ける。
すると、後ろから拓海の腕がオレの腹に回されてギュって身体をくっつけられた。

「........拓海?」
名前を呼んで振り返ろうとしたオレに、「こうしててやるから、目を閉じてろ。眠れなくても身体は休まるから。」と言った。

「.......うん、」
頷くと、そのまま言われた様に目を閉じる。
ごちゃごちゃ考えてたって始まらない。この関係がどう変わるのか知れないが、なる様になるさ。
と、背中にほのかな体温を感じつつ、心地よい気分で目を閉じたまま、いつしか眠りに落ちていたようだ。


 朝になると、今日は土曜日でもあり拓海は仕事が休みだという。
オレは、すっかり熱も下がったようだが、山野辺さんに昨日の事を謝ろうと電話を入れると、大事を取って今日も休んでおくように言われる。迷惑をかけてしまって申し訳ないが、お言葉に甘えてもう一日ゆっくりさせてもらう事にした。

「良かったな、今日一日休んでいれば明日からは元気に働けるだろう?」
拓海に言われて「ああ、そうだな。」と笑う。アルバイトとはいえ、しっかり売り上げを取っているつもりのオレは、内心、店の事が心配ではある。オレ抜きで今日のノルマは達成できるのか・・・・・?

「あとで、スーパーへ買い出しに行ってくる。何か食いたいものとかあるか?」

「......いや、特にないけど、.........オレも行っていい?」

「え?大丈夫か?」

「うん、もうフラつかない。それに拓海と買い物に行くのスゲー久々だろ?行きたいんだ。」
そう言うと、「分かった。荷物持ちにしてやるよ。」と、少しだけ口元を綻ばせる拓海だった。




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