『君と まわり道』 36

:昨夜は遅くの更新となりすみません
また、遡って拍手をくださって有難うございます
楽しんで頂けたら嬉しいです:



 重なる唇が、洩れる吐息が熱くなりだすと、オレは拓海の腰に手を回して自分の股間の高ぶりを分からせようと擦りつける。
すると、拓海の手もオレの臀部を掴んできた。

互いに誇張するモノを感じつつ、それでもどこかでセーブをかけているのが分かると、少しだけ身体を離す。

額をつけて、目を伏せながら息を整えると、しばらくして拓海の顔を見た。
拓海もオレを見るが、その眼差しに不安感はなかった。オレを信頼しているような、次のアクションを待っているような.........。

「...........腹、減ったな。」
オレは口元をあげると言った。「ああ、」と拓海も答えて、又テーブルの上の弁当に視線を送る。

「食っちゃおうっか?!.........時間はいっぱいあるし、な。」
「そうだな。布団も取り込まないといけないし.........、食うか。」
拓海が冷蔵庫からペットボトルのお茶を出すと、オレがコップをテーブルに置く。
向かい合って弁当を開けると、少しニヤケながら口に運んだ。自分でもおかしくて、でも、何が可笑しいのか説明は出来ないんだ。


「.....なあ、拓海の初恋の相手って誰?オレの知ってる奴?」
唐突に聞いてみた。一瞬口に運ぶ箸からご飯が落ちて、オレの顔を見直す拓海。

「バ~カ、そんな昔の事聞いてどうすんだよ?!忘れたし。」
拓海は少し動揺しているみたいで、口が尖りだす。バツが悪くなると出る癖がオレには可愛くて。

「アツシは誰だよ。同性を好きになったのっていつから?俺聞いたっけ?」

「いや、前に居候した時は、お前何にも聞かずに置いてくれたじゃん。オフクロの事悪く言うなって怒っただけで.........。」
「そうだっけ.........。まぁ、あの時は凹んでたからな、お前。相当ショックだったんだろ?!」
オレを見る目に悲しげな影を落とすが、「俺の初恋は........内緒。」と言って口いっぱいに肉を頬張った。

「あ、..............狡い、逃げたな。」そう言って、拓海の顔を見れば自然に笑みがこぼれる。やっぱりこの距離が心地いい。

窓から零れる陽だまりが、シャボン玉の様な光を放つ。
その先で日光を浴びたオレの布団は、今すぐにでもダイブしたくなるほどふっくらと膨らんでいる。

もう何年も前から、こうして向かい合って食事もして来たっていうのに、こんな気持ちになったのは初めてで。
それを壊してしまわないように、いつもより慎重になっている自分に気付くが、時間が経つにつれて拓海を好きだと思う気持ちも大きくなってきた。今はただ、傍に居て欲しい。そんな風に思うオレだった。









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