『君と まわり道』 43


 母親が言ったように、オレの部屋の荷物はそのまま置いてあるようだった。
勉強机の上に置かれたままのパソコン。デザイン系の本やスケッチブックまで、あの日のまま。

あの日ベランダから捨てたのは、壊れないような服やカバンや身に着けるものばかり。
一応壊れるようなものは避けたって事か.............。
そう思うと、ちょっと滑稽だ。値段の張るものはもったいないと思ったんだろうな。
オレはベッドの上に腰を降ろすと、取り敢えず身体を横たわらせて天井に目をやった。

「懐かしいだろ?!自分の部屋................。」
「ああ、確かに.........、なんだか変な感じだけどな。懐かしいんだけど、なんだかよその家に来たような気分だよ。」

オレは、勉強机に腰を降ろす拓海に言ったが、「そうか?!」と聞き返されて笑われた。
「何を持って行く?」と聞かれ「やっぱりパソコンだろ。後はCDとか本とか.........。」と答える。
パソコンは、スマートフォンがあれば必要ないのかもしれないが、一応持って行く事にする。

ベッドから立ち上がると、早速クローゼットの中から大きめのバッグを取り出す。
その中にパソコンも本も、CDも詰め込んだ。後はレザージャケットとブーツも。バッグ3つ分の荷物を抱えて拓海と二人でリビングへと向かう。
入口の所で待っている両親。オレたちの事をじっと見ているが、口を開いたのは母親で。

「あっちゃん、...............あっちゃんは本当に..............、ゲイなの?」
確認すると、尚も不安そうな顔つきになっていた。オレがゲイだと言ってしまえば気が楽になるのか?

「.....................」
言葉が出ないまま、オレは拓海の後ろに隠れる。が、気付いた拓海はオレの腕を掴むと、父親の前に突き出した。

「アツシはアツシですよ。お二人の息子に違いない。」
そう言ってオレの頭に手を置くとクシャっと撫でていく。




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