『寄り道しないで帰ろうよ。』 205号室-17


 浴室へ向かい、片手しか使えないアツシの服を脱がせた後、俺はバスタオルを2枚用意してドア横のバーに引っ掛けておいた。

 俺が自分の服を脱ぐ間に、アツシがシャワーコックを捻ってお湯を出す。

「どっちが先に洗う?拓海?」
 シャワーヘッドを持ったアツシが後から入った俺に聞くと、シャワーのお湯を俺の下腹部に掛けた。

「お前だ。俺が洗ってやるから。」
 そう言って、アツシの手からシャワーヘッドを取り上げると、手を引いて浴槽の淵に座らせる。

 アパートの浴室とは大違いの広々としたここは、大人が二人で入っても丁度いい大きさの浴槽だった。でも、今日はシャワーだけで済ます事にする。暑い時期は、どうしても湯船に浸かるのが億劫になってしまう。

「頭からお湯掛けるから、目、閉じて。」
「了解。」
 アツシの頭の天辺が俺の真下に来ると、そこにシャワーの湯を流しかけた。
 天パの髪は、おとなしく素直に濡れそぼると、眉毛を超えて目元を全て隠してしまった。

「結構伸びてんな。乾いてると分かんなかったよ。今度美容院行った方がいいよ。」
 俺がアツシに言いながら、濡れた髪を指でかき上げると、「うん、来週切ってくる。」と目を瞑ったまま答える。

 裸で向き合って、アツシの膝の間に立ち乍ら、シャンプーのボトルから手の平に移したものを指で掬うと、今度はアツシの頭に擦りつけた。シャワシャワと泡立てながら揉むようにすると、俺の指にくるりと巻いた髪の束が絡みつく。
「ホントに天パだな............。泡立ちもいい感じ。」
 人の髪なんか洗う事が無かった俺は、ちょっと楽しくなってきた。

「お前、人の髪で遊ぶなよ?!」
 そう言ったアツシだったが、俺はすでにコイツの頭の上にツノを2本こさえたところ。でも、天パのせいで先っちょがクルンってなっちゃうんだ。

「ダメだ、柔すぎてツノにならない。なんかブタの尻尾っぽくなっちゃうなぁ。でも、これはこれで可愛いかもな。」

 ほくそ笑んだ俺の顔を見ることもなく、「おい!!今すぐ流せ!」と、アツシが言った。
 せっかくの俺の作品だったが、少し怒り気味のアツシの声が浴室内に反響したので、仕方なく流すことにする。

 リンスの後で、今度は立ち上がらせると、スポンジにボディーソープを付けて泡立たせる。
「自分で洗えるから、拓海、頭洗っちゃえよ。」
 そう言うが、俺は返事をせずにスポンジをアツシの胸に押し当てると円を描いて擦りだした。

「おい、自分で、」
「いいの!お前は腕上げてろ。アツシが綺麗になったら俺はその後自分で洗うから。」
 あんまり俺が言うもんだから、アツシも黙ってしまう。そのまま片手だけ上にあげて、俺の言う通りじっとしていた。

「なんか、変な感じ.....。」
 ニヤリと笑うアツシの顔は、濡れた巻き毛が額から鼻にかかって、エキゾチックな表情に見える。いつも見ている顔とは又違うような。

「こうやって洗ってもらうなんて、覚えてる限りじゃ初めて。小さい子供に返ったみたいだよなぁ。」

「そうだろ、たまにはいいんじゃないか?」
 背中を擦りながら俺が言うと、「そうだな。」と言って大きく頷くアツシだった。

「.........で、コイツはどうする?!」

 俺はスポンジを鷲づかみに持ったまま、アツシの股間に目をやった。
 アツシのモノが、どういう訳か半勃ち。まだ、そこに触れてもいないんだけど.....。

「はは、なんか触られてっと感じちゃうんだよな。自分以外の人間がスポンジで身体を擦ってくれることないだろ?!」

 まあ、確かに.........。
 風俗にでも行かない限りは、あまりそういう事にはならないかも。

「手で洗ってやる?」
 俺が意地悪く聞いてやると、「うん。」と、アツシは頷く。

「かしこまりました。」
 そう言うと、スポンジはそのまま置いておく。それから、アツシのモノを手の平に乗せ、そっと親指を回して包み込んだ。

「ぅ、...」
 小さく声が漏れると、そのせいで少し上がった顎のラインが綺麗に見える。
 閉じた瞼の先で、水滴の点いた長い睫毛が揺れると、俺の中の征服欲の様なものが芽生えてきて、もっと乱れるアツシの顔をこの灯りの下で見たいと思ってしまった。

 湯気の蒸気と一緒になって、アツシの吐息もまた艶を増す。
 石鹸の滑りで、スムーズな俺の指や手が、アツシの敏感な部分を刺激すると、俺の雄も連動するかのように高鳴りをあげる。

「アツシ......、」
 俺は、我慢が出来ずにアツシの唇に吸い付くと、すぐに離して今度は下唇を甘噛みした。

チュッというリップ音の湿った音色が耳に入るたび、俺とアツシの身体は近づいて行き、そそり立ったモノは二人の間でさらに硬さを増していった。






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