境界線の果てには。(040)

  自分でも分かっているんだ。
どんなに強がり言ったところで、俺は結局真咲に依存している。
アイツの好意に甘えて、縋ってしまう。


あーあ、いつの間にこんなに女々しくなっちゃったんだろう。
つくづく反省したが、目の前の炊飯器を見ると思案する。

ごはん炊いてくれたけど、何をおかずにしたらいいんだよ‼
今から買いに行くって面倒だなぁ・・・・・

そんな事を考えていたら、玄関で物音がした。がさがさと、何かが擦れる音がして、ドアがガチャッ、と開く。
-え・・・誰?

キッチンから覗くと、玄関に真咲の姿が。

「え、...............あれ? 帰ったんじゃないの?」急に広斗の顔が華やぐ。
「なに? 買い物行って来たんだけど。冷蔵庫の中何もなかったからさ。」

そう言って、テーブルの上に材料の入ったレジ袋を置いた。

「あ、・・・そう。買い物行って来たんだ?!」
すっかり落ち込んだ自分がどこかへ行ってしまった。

袋の中身をテーブルに出すと、それをいそいそと冷蔵庫へしまう。

-あービックリした。また俺ひとり残されたのかと思った。
すっげー不安になったじゃないかよ!!

心の中で文句を言いつつ、真咲の顔を覗き見る。
怒っている様子はなく、食材をみて流しに置くと、まな板を用意してジャガイモの皮を剥きだした。

「何か作ってくれるの?」 少しだけ甘えた声で聞くと
「肉なしの肉じゃが。」と、真咲。

「ぇえ?・・・それ肉じゃがって言わねぇだろ!ただのイモ煮。」
広斗が後ろで煩いので、真咲に包丁を向けられ「座ってろ。」と、言われる。

はーい。・・・・
肩をすくめて広斗が座る。
口元は上がり、目尻は下がる。まるでお母さんのごはんを待つ小学生みたいだ。

-さっきあんなにドカドカ歩いてたのに・・・・ちゃんと戻って来たんだな。
広斗は、また涙が出そうになり顔を擦った。








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