【妄想男子と恋のゆくえ。】01



 --- 岡嶋 研.......おかじま けん.........、おいッ、聞いているのか? ---

張り付いた瞼をゆっくり開き、机に伏せた顔を声のする方に持ち上げてみる。と、見慣れた担任のユッキーの横に、でーんとそびえ立つでっかい男の姿が目に入った。

「岡嶋、また寝てたのか?.......さっき登校してきたばかりだろう?!」
ウンザリするような顔で言われるが、俺が気になるのはユッキーのいつもの小言ではなく、その横で不愛想に口を閉ざしてじっと俺の事を見ているデカイ男。ユッキーと比べるところ190センチはあるだろう身長に、顔の作りは日本人離れしていて、モデル風のいい顔.......。

「...........早く登校し過ぎて二度寝しちゃいましたぁ.........すみませ~ん。ところで横に居る目つきの悪い人、誰ですか?」

俺がそいつの目つきの悪さを指摘したってのに、全く反応は無くて。制服を着ているって事はここの生徒だろう。でも、高校二年の夏休み明けに初めて目にする顔。そいつが俺をじっとガン見するから、俺もそいつをガン見してやった。

「だから、今紹介していたんだろう?!二度も言わせるな!」

「........はぁい、すいませ~ん。」

ははは、と笑い声が起こる教室の中で、やっと目が覚めて椅子に座り直すと、そいつから目を逸らせる。睨み合いをするほど俺は硬派じゃない。それに、身長170センチの俺と奴とじゃ分が悪すぎるし........。

「もう一度紹介する。彼は’森 明人’くん。9月から我校に転校してきた。仲良くしてやってくれ。席は岡嶋の後ろが空いているから、隣の横山、教科書見せてやってくれな?!」
『はい。』

ユッキーが紹介した後で、その森ってヤツはゆっくり席に近寄って来ると、俺の横を無言で通り過ぎて後ろに座った。
なんだか背中に感じる威圧感がすごいんですけど.................。



一時間目が終わって休み時間になると、すぐに俺の周りは賑わいだした。クラスのもの好き連中が、転校生の歓迎をし始めて、取り囲んでいるからだ。

「なあ、何処から来たの?二学期からの転校って珍しいよね!なんかやらかしたクチ?」
バカな質問をするのは、転校生の隣に座る横山だった。あっけらかんとした性格で、俺は好きだが、今の質問はストレート過ぎる。
もしも、聞いたら引くような返答が帰って来たときのリアクションを用意しているんだろうか........?

誰かを血祭りにあげてここに飛ばされてきた、な~んて事言われたら、一気に顔色変わるぜ。

「なあ、前にどっかで会った?」

「え?」

助け舟を出すつもりは無かったけれど、俺の単純な質問に、初めて口を開いた転校生の森は、振り向いている俺の顔をじっと見る。

--あ、そんなに見ないで。ただのとっかかりで聞いただけだし、よく女の子に使う手で、深い意味も何もないんだ。初対面だし.....。

「...............あの、」
「あッ、やべえ、次移動だった!!早く行かないと、別校舎だぞ!!」
森の言葉を遮って横山が叫ぶと、みんな慌てて森の席から散って行った。

「第二化学室は北校舎だ。」
横山が森に告げると、自分について来いとばかりに手招きをして、仕方なく立ち上がった森は、ルーズリーフとペンケースだけを手にすると付いて行く。
でも、一旦振り返って俺の顔を見た森の目が、ふと忘れかけた記憶の欠片を投げてよこしたような気がした。その欠片を胸に仕舞うと、俺も二人の後に付いて教室を出る。





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暫くぶりに舞い戻ってまいりました。
新作の【妄想男子と恋のゆくえ。】は男子高校生二人のお話となります。
岡嶋 研 (オカジマ ケン)17歳 168cm/55kg  彼女が欲しいちょっと口の悪いお子様で、顔は可愛いのに残念です。
森 明人 (モリ アキト) 17歳  190cm/70kg  顔はすこぶる良い類の寡黙な少年。実はゲイで、口が重い分即行動に移します。
対照的な二人のちょっとおかしな日常を楽しんで頂けたらなぁと思います。
まだまだ拙いですが、宜しくお願い致します。
たまに漫画にて参加しますが、あまり読み手さまの想像を壊してもいけません。
ですので、追記にて載せさせて頂きます。(*''ω''*)
軽くスルーしてくださって結構ですので。。。。💦

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妄想男子と恋のゆくえ。

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