境界線の果てには。(049)



「ご馳走さま」
〔ポトフ〕 って言われて食べたけど、野菜スープとどう違うのか・・・・
首を傾げながらも完食した広斗は、食器を流し台に持っていき水道の蛇口をひねった。

洗うのは俺の係。
真咲が持ってきた食器と一緒に、泡立てたスポンジを滑らせて、きれいにしていくこの時間が好きだ。

面倒な事は考えずに、ただ洗うだけ。水ですすげば全てが綺麗に落ちて流れる。

俺の面倒事も落ちて流れたらいいのに...................。






「じゃあ、オレ、帰るな。」
しばらくベッドの上で、二人横になりテレビを見ていたが、真咲が起き上がると言った。

「ん。」
簡単な返事を返す。


---パタン---

ドアが閉まるまで、俺はベッドの上から起きない。
真咲の背中を見送るとか............ヤダ。



 俺の護衛隊隊長の真咲が、いつしか独占欲の強い〔コイビト〕になって、俺もそれを受け入れてる。
初めは男同士で好きだの愛だのなんてあり得ない話だと思ってた。
けど、アイツの俺を守りたいという庇護欲に縋ったんだ。
そこが気持ちいい場所だと分かってしまったから。









 --土曜日
いつもとは違い、少しだけオシャレな服を着た。
Vネックのニットに黒のレザーブルゾン。
大学へは着ていかない、お値段高めの服に包まれると、どことなく緊張する。
女の子とのデートなんて何年ぶり?

「オッス」
待ち合わせの駅前にやって来た真咲が、広斗の方を向き手を上げた。

あ・・・・・・・・・
広斗の緊張とワクワクが、一瞬で覚める。

真咲は、黒レザーのライダースジャケットを羽織り、中には白のカットソーと黒のパンツ姿。

同じ様ないでたちをして、なんか恥ずかしい。

「オソロ。だな?!」

鼻を擦りながら言う真咲が、ちょっと憎らしくなった。
だって、どう見ても体格の差で、真咲の方が黒レザーのジャケットをカッコよく着こなしているんだ。
俺のは背伸びしすぎって感じで。

広斗がシュンとなったその時
「お待たせ!」
広斗の背中に、はじける様な女の子の声が掛かった。





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