境界線の果てには。(059)

 枕もとの、スタンドの明かりに照らし出されたのは、呼吸をするたびに揺れる広斗のくせ毛。
前髪が長いって言ってるのに、どういうわけだか切らないんだ。

いつもオレが頬に落ちた髪を耳に掛けてやってる。....あの人は、そんな事したことないだろうな。
一度だけ、広斗の為にからだを貸した。それだけの事だ...........。



分かってはいる。........なのに、.............



「ま、さき・・・・喉、痛い・・・・んっ、・・・こんっ」
いがらっぽいのか、広斗が咳ばらいをするから、オレは立ち上がった。

「ちょっと、無理させちゃったか?・・・ごめんな」
広斗の髪をそっと掴むと、ふわりと離す。柔らかい髪が広斗の頬に落ちて、それをまた耳に掛けてやった。



 冷蔵庫からミネラルウオーターを取り出すと、自分で一口飲む。
それから広斗の側に行き、口に含んだ水を口移しで飲ませた。

ン・・・喉がコクリと動いて流れ込んでいくと、口の中がスッキリして気持ちよかったのか、唇が少し開く。
オレが、口の端からこぼれた滴をペロリと舐め取って広斗の頭を撫でると、広斗がそっと手を伸ばし、オレの躰を引き寄せた。

上半身だけ広斗に預け、オレの手が広斗の顔を囲うようにすると、口だけ突き出してキスをしてくる。


-こいつは・・・感情の赴くままに生きてんな。
泣いたり、怒ったり、甘えたり・・・・


真咲は、広斗のしたいように唇を預けたまま、心の中でふふっ、と笑う。

男と遊んでいたのは知ってたけど、やっぱり生で相手の顔が分かるのはキツイな......。

オレってやっぱり嫉妬深い男なんだな.......。正直こんなに気になるとは思っていなかった.......。

........末永って医者も、.......どうなってんだよ?!










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