境界線の果てには。(067)


 ここにバカな男が一人・・・

散々わがまま言って甘えて、護衛隊長を我が物にしたと思っていたら、女に横取りされて....。

なのに、まだ強がっている。喉から出そうな言葉を飲み込んでは、こうやって立っているのがやっとだ。

「お前に単位の心配なんかされたくないな。・・・大丈夫、オレは留年なんかしないよ。」
真咲が俺の手からカバンを引き剥がすと、前を向いたまま言った。

-わざとなのか、なんで俺の顔見ないんだよ.........。

なんかムカムカする。
いつもは真咲が俺にくっついてきてウザイのに........なんで、俺がウザがられてんだよ!


「じゃあなっ!!・・・」
俺は精一杯大きな声で言うと、走って校舎を目指した。
ムカついて腹立つし、これ以上無視されたら泣く。・・・俺ってすぐ泣けるからな。

はっ、・・はっ、・・

エントランスまで来ると、さすがに疲れて息が切れる。
子供じゃあるまいし、訳もなく走ったりなんかできないんだよ。いい大人が、泣きそうになって走ってるとか、ヘン。

.............はぁ....................
結局、真咲は俺の後を追ってもこないし。高木だって俺の後追って走ったっつうのに!
クソツ! ムカつく、ムカつく・・・


 広斗が教室の入口まで来ると、視線の先に真希の姿。
-ヤダな.........ダブルで痛いって...........。

「おはよう、青木くん」
「・・・おう」

朝から余裕で、満面の笑みを浮かべる真希を見ると、俺の心には嫉妬の炎がメラメラと燃え盛った。

キモイ、男が女に嫉妬??
モトサヤの相手に嫉妬??

.............情けなくて、涙が出る。




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