境界線の果てには。(068)


 「ちょっと話があるんだけど・・・」

「は?・・・なに?」

「ここじゃ言えない。こっち来てくれない?」

・・・どうしよ・・・

「いいから早くっ、講義が始まっちゃうでしょ?!」
言いながら、俺の腕を掴むと廊下を歩いて行く。


こういう時、男は手が出せないっていうか、ヘタに力を入れたら女の子を倒してしまいそうで怖くて.....。
捉まれた腕を振り払う事も出来ない。


少し先の誰も使っていない空教室に入ると、くるりと俺の方に向きを変えて真希が口を開いた。
「晴香の事、どうなの?あの子が青木くんに気があるってわかってるんでしょ?」

-それは、......鈍いヤツじゃなきゃ気づくって。

「・・・えっと、・・え、・・・・・」
しゃべろうとして、天井に目をやると、喉に違和感を覚えた。

喉に手をやって、ぐるっと辺りを見渡した時、自分と真希の二人きりなのに気づく。

「え・・っと・・・ン・・ンン・・・グフオツ・・・・ゴホツ・・」
-あれ........喉が、苦しい........ヤ、バ........イ?

「もうっ、真咲に聞いても、知らないっていうし・・・ちょ、っと?」

---ゴフオツ、と、胸からひときわ大きな音が出ると、俺の膝がガクンと落ちて、真希の体に寄りかかってしまう。
驚いた真希は、両手で俺の胸を支えたけど、力が弱くて支えきれずに二人で倒れてしまった。

ガタツ、ガタガタツツツ

入口に近いテーブルごと床に倒れ込むと、俺はもう訳が分からなくなる。
気が遠くなるのを必死でこらえるけど、躰に力が入らなくて真希の上に乗っかったまま動けなかった。

「ちょっ!!アオキくんっ!!
だ、誰かぁ~/////」



耳についた真希の叫び声が途切れると、俺の体がふわりと浮いた。

なのに、俺の目は開かなくて、意識はあるんだけど声が出ないし、力も抜けてしまってふわふわと浮いている気がした。
もしかして、俺、天国への階段を上ってる..........?


-----ああ、カッコ悪い-------

こんなところで・・・・・・・・・




-------真咲イ---------死にたくないよぉぉ---------




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