境界線の果てには。(069)



.............思えば短い人生だった。

小さい頃から自分の我儘を通してきた気がする。
ちやほやされて、いい気になって、自分からは呼びに行かなくても向こうから来たんだ。
だから俺は、人が来てくれるのが当たり前だと思っていた。

真咲を取られて、はじめて気づくなんて........

欲しいものは欲しいとちゃんと言わなきゃ駄目だったんだ。
”言わなくても分かるだろ”なんてのは、何十年も連れ添ったじじばばの夫婦のセリフだ。

真咲が俺の事守ってやりたいって言ってくれた時、素直に「好きだ」と言えばよかった。

どうせ大学生の間だけ、なんて意地張って・・・・

そのくせ、ずっと甘えたい俺を守っててほしくて・・・・・


........神様.......今さら遅いかもしれないけど........言ってもいい?

「俺は真咲の事好きなんだ!・・愛してるんだ!・・ずっと俺の傍にいてほしい!大好き!!」







「オレも........。」






........あっ、どこかで真咲の声がする........

最後に俺の耳に真咲の声を届けてくれたんですね?
俺、信心深くないんだけど..........ありがとう.........ございます。

俺の心がふわっと開放された気がして、思わず手を伸ばしてみた。

むぎゅっ・・・・

-あれ?なんか感触まで生々しい・・・・俺の体に真咲が乗っかっている・・・・・気がする。


でも、せっかくふわふわしていい気分なのに、目を開けたら”地獄”なんてイヤだからな、目は開けない。

神様、このまま静かに安らかに眠らせて........ください........

..........ンチュッ..........むチュツ...........

執拗に俺の唇を吸うのは........
真咲?.......

え?.......神様、そんなことまで......俺におみやげですか?

じゃあ、俺も心残りの無いように.........

思いっきり真咲の唇に吸い付き、舌を絡めた。んぐ、んぐッ・・・・

なんか、生々しくて、俺の身体は反応しそうで・・・・


「ちょっ!!!あんたたちっ、な、何してんの????」
って、・・・・・・・・え?

俺は、薄目を開けてみた。


.............俺の目の前には真咲の高揚した顔。
半開きの口がヤラシイ・・・・。
それからカーテンの影からは、真希と晴香ちゃんの顔がこちらを覗いていた。

............え?
「あ、起きた?・・・・良かった~気が付いて。」

真咲は立ち上がると、俺を見下ろして、
「オレも広斗の事愛してるよ?!大好き。ずっと一緒にいような?」
・・・・どこかで聞いたセリフを・・・・・イヤ、俺がさっき神様に叫んだ言葉なんだけども・・・・。



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