【あの日あの時・あの場所で・・・】







「まてぇぇッ!!」

ドカドカドカ…ッ



いかにも怪しげな雑居ビルの店から、叫び声を上げて飛び出して来る若い男たち。


彼らは辺りをキョロキョロと見回すが、目当ての人間がいないのを確かめると、「チッ!」と舌打ちをして店の中に消えていった。




しばらくして、細い通りから出てきたのは、見た感じ20歳ぐらいの青年と、上半身裸の少年。

「…行ったみたいだね?………出ておいで、青木 広斗くん。」



「ヤッバイ・・・・マジでダメかと思った。・・・・・末永先生、なんでこんなとこにいるの?」
広斗は、腕に抱えていたシャツを着ながら言った。


「・・・はぁ~~~それは、こっちが聞きたいよ。高校生のくるところじゃないだろ?
素人専門のAV撮ってる奴らに捉まるなんて・・・・しかもゲイ向けだよ?」
あきれながらも、めくれ上がったシャツを背中に降ろしてやる。

「あ........もしかして、先生ホモか?・・・まさかね。」

屈託のない言葉に、ガックリ肩を落とすと
「..........まったく、安易な物言いだよね?まあ、この辺りで飲んでるって事は、近いかな・・・?」
そう言って、周りを伺いながら歩き出した。


「うっそ!マジで?.......じゃあ先生、俺に男とヤル方法教えてよ。」

「は?・・・なんで・・・」


「俺さぁ、未だに女子とは二人になれないんだ。もう、禁欲生活も無理だし、自分でするのも飽きた。だから、男でもいいや。」
末永の腕を掴むように言うと、力を込めて引き寄せる。
「それとも、俺が先生に襲われた。とか言ってもいい?」


これは、”脅し” 

そんな姑息な真似をするほど、俺は飢えていたんだ。
女がムリなら、可愛い男だっているじゃん・・・見た目が女の子っぽいの。

とにかく、人間相手にセックスがしたい。したい、したい、シタイ・・・!
でないと、気が変になりそう。
このまま一生女の子とは距離を取らないといけないなんて・・・


「・・・仕方無いな。まだこれからも医者は続けたいんだ。
広斗くんの好みはどんな子?・・ニューハーフの子がいいのかな?
胸とかちゃんとある人なんだけど。」


「俺、でかいのはヤダ。なくていいよ。可愛いか綺麗な小柄な子だったらオッケーだし。・・・多分・・・。」



「・・・じゃあ、白衣の天使を紹介しよう。今からボクの家に来るかい?」



「あ、モチロン。行く、行きます。白衣の天使に会いたい。」



「・・・ただし、今日だけだよ?ボクたちが教えるのは・・・。」



「うん、分かってる。・・・・先生に迷惑はかけない。俺を助けてくれたんだもん。」



「あと、天使が嫌がったらそこで止める事。無理強いはお互いの為に良くないし、躰に負担が掛かるからね?」


「はい。そうします・・・・絶対。」









-----と、いう事があって、俺は貴哉さんを知った。
艶々の長い髪をした華奢で綺麗な顔立ちの人だった。


まさか、3年後に筋肉質の細マッチョになっているとは-----

「先生の好みが変わったのかな?
先生はバイの人だけど、どっちなんだろうね?タチかネコ・・・
う--ん、どっちだと思う?・・・ねえ真咲?!」

一戦交えた後で、俺は昔を思い出して聞いてみた。
それなのに・・・


「まったく、1ミリも興味ねえから!!
パンツ穿いて早く寝ろ!!」


---真咲はあの二人の事になると機嫌が悪くなるらしい。---

---これも、愛?----なんてね。


:広斗の苦い思い出でした:









拙いお話にお付き合いくださり
感謝いたします。
色々不安を抱えつつも、二人で仲良く過ごしていくことでしょう。
また機会があれば、覗いてやってください。


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