いらっしゃいませ。お話の各1話目はこちらから。

はじめまして itti(イッチ)と申します。こちらは、イッチが趣味で書いておりますBL小説やイラスト、漫画などを盛り込んだ憩いの場所。全てはボーイズラブに傾いておりますので、共有して頂ける方はどうぞお入りください。尚、別のサイトでも活動しております。pixiv・アルファポリス・fujyossy・エブリスタでもBL小説やイラスト、漫画、などを投稿中。現在のお話と 過去の小説の各一話目にリンクを貼っておきますので、「題名...

『迷惑な落とし物。』73

 暫く見つめ合ったが、先に目を逸らしたのは俺の方だった。床に落とした視線は足先を見つめたまま、正臣の言葉を待つ。が、ふぅ、っという重苦しい溜め息しか聞こえては来なかった。その溜め息に俺の目が正臣の顔を捉えると、上目遣いに見る。「行くしかないって...........、そんなのおかしいだろ。本人が行きたくないって云うんなら行かなくてもいいんじゃないのか?!」正臣は俺に云うが、「じゃあ、お前らサラリーマンは地方...

『迷惑な落とし物。』72

 キッチンに面したカウンターテーブルに二人並ぶと、頂いたお寿司をそれぞれ摘まむ。マグカップにティーパックを入れて、それを口にすると正臣は云った。「ホント、ハルミのインテリアって簡素過ぎるよな。湯呑み茶碗もないだなんてさ。もう少しこう、生活感ある食器だけでも揃えたらいいのに。」俺はその言葉に、「そんな趣味はない。あ、でもコーヒーメーカーは良いヤツだから。」というが、確かに珈琲カップさえ何でもいいとは...

『迷惑な落とし物。』71

 バスに乗り込んで15分。手に持った寿司の折詰を膝に乗せてようやくシートに座れば、窓を流れる景色に目をやった。街路樹の奥で、きらびやかに光る電飾の色が眩しくて。ビルに入っている飲食店やカラオケの看板が、ただの走馬灯の様に視界の隅に消えてゆく。顔は外に向けながらも、ポケットに入れたスマフォが鳴らないかと気に掛かると、さっき送った正臣へのメールの返信が来るような気がして、そのまま握り絞めていた。『オー...